8:3人で同じ墓に入れば無問題 ページ8
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「ちょっと待って、私の意思は無視？」
「え、そんなの要る？」
「要るに決まってんでしょ、私の人生でもあるんだし」
丸っこい瞳を可愛らしく向けて「ん？」と首を傾げて上目遣い
何か頼む時や誤魔化す時によくやるその手には騙されない
「…例えば、私が二宮から離れないなら誰に恋しててもいいんだよね？」
「どうぞどうぞ。離れないならね。相葉さんとかどう？」
「あの人ね、とても年上とは思えないくらい無邪気で可愛いよね」
「ね。まぁAは相手にされないと思うけどね！」
「この前会った時に可愛いって言ってくれましたー！」
「ばっか…それ本気にしてんの？あの人、そういうの息をするように言えちゃうの！天然のたらしなの！」
あんたは計算高い人たらしだけどね！
その言葉を寸前でグッと堪えると
はぁー…と態とらしいほど大袈裟に吐かれた溜息。
やれやれ、と言われて脳天を叩きたくなる
「いい？確かにお前が誰に恋しようが構わないよ、俺とこうやってふざけあってくれるならね」
「…誰かに触られてもいいの？」
「いいよ、今日の翔さんみたいな触られ方なら別に。…それで俺を捨てるなら話は別ですけど。」
「捨てるも何も拾った覚えがない」
「とにかく俺と結婚して俺の側にいてくれるんなら誰を好きになってもいいって言ってんの」
「えぇ…地味にメリットなくない？」
「この素敵な二宮さんを毎日拝めんのよ？手に入んのよ？」
それで喜べたのは貴方と出会って3日目までだわ。
しかも手に入るって…違うような気がする
「私が誰かを好きになって恋をしてその人と一生を添い遂げたいと思ったらどうすんの？」
「え？3人で同じ墓に入れば無問題でしょ」
「どんな関係だよ」
「あ、でもやっぱダメだわ。俺どーしてもAと2人の方が居心地いいからお前の相手邪魔かも」
「私からすれば邪魔なの、あんた！」
確かにね、こういうやり取りとか
愚痴を言っても笑い飛ばしてくれたりしてくれる彼の存在には何度も救われたしこれが小さな幸せなんだと思う
だけど女としての幸せは、また別だ。
「今から婚活して？恋して？好きになってもらって結婚まで漕ぎつくのにどれくらいかかると思う？」
「……っ！」
「ねぇA、もう俺にしたら？カワイがってあげるから。」
子犬顔の男が、今は狼に見えて仕方ない
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作成日時：2022年3月8日 7時
