掃除18 ページ20
『柳田A、ただいま戻りました』
「姉御！おかえりなさい！」
「おいバカ。
姉御には敬意を払った言いかたしろ」
『いいよ。
私としては、そっちのほうが
落ち着くから』
玄関に入るなり、待っていたように
叫んだのは私の１つ年下の掃除担当の
谷野 灯 (やの ともる)。
灯を一刀両断したのは灯と同い年。食事係の
藤野 玲 (ふじの れい) 。
この二人とは小学校高学年からの付き合いで
灯は私と常に一緒に居てくれたからか
"この組"に入った時は
私と同じ掃除担当になった。
玲はクラスメイトだったのを
灯がひっきりなしに。
私も休み時間となれば教室に行き。
喋りかけて、いつの間にか
一緒に居るのが当然な存在として。
そんな玲は料理上手なこともあってか
食事係に旦那様直々のご指名でなった。
まぁ、薄々勘づいてる人もいるかもしれない。
私の祖父の家は極道。もっと分かりやすく言えば
ヤクザだ。
『ねぇ、灯、玲』
「何ですか？」
『やっぱり姉御呼びは___』
「やめませんよ」
『何で！？
組に入ってからいっっちども
名前で呼ばないし、
敬語だし！！』
「いつもの落ち着きを取り戻してください。
そのことについては納得してくれたじゃないですか」
「そうですよ！
お···私たちとしては
三年以上こうしているんですから
そう言われても直りません！」
「一瞬俺って言いかけた奴が
言う台詞じゃねぇな」
『(小学生の時は親しさ満点だったのになぁ)』
そう、組に入ってからと言うもの
敬語やら姉御呼びやら敬意を何やらで
１日であっという間に上下関係がついてしまったのだ。
ちょっと···いや、かなり寂しい。
「そ、そう落ち込むなってA」
「もういい加減諦めろ···ください」
『諦めろくださいってもう直りかけてるじゃんか！
灯に至っては完全にアウト区域だよ！』
「お、落ち着いてくださいよ。
他人と身内での差の激しさ直せって
旦那様が仰ってたでしょう？」
『ぐっ。旦那様を出すのは卑怯ですよ』
「(そう言いながらもしっかり直すよな)
そう言えば旦那様がお呼びでしたよ」
『それは急がなくては。
ありがとうございます』
私も人のこと言えない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 150人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「逆ハー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夜狐灯 - コメント返信遅くなってしまい申し訳ありません!!!応援ありがとうございます！！！！ (2019年9月16日 11時) (
レス) id: 6592f6fd87 (このIDを非表示/違反報告)
しろ(プロフ) - こんちには！いつも作品見させてもらっています！この前の幸と天馬の夢主笑わせる為のコントに爆笑して親に心配されました（実話）これからもがんばってください！応援してます (2019年6月22日 12時) (レス) id: a81fa4594d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夜狐灯 | 作成日時：2019年5月8日 1時
