恋人になりたい重岡くんと友達でいたい佐野さん

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｢はいはい。しげが佐野のこと好きなんがクラス中に知れ渡ったところで授業始めんで｣




『おいコラ淳太！！！』




｢先生つけろ！！｣




みんなが盛り上がっている中、中間先生が仕切って授業が始まった。




瑞希と、そして若干キレ気味なしげが｢HRの時間じゃ足りないから体育祭の係と競技を決めたい｣と中間先生に言えば授業はなくなり体育祭の話し合いになった。




まずは競技決めらしい。





『今から競技1つ1つ言っていくから出たい競技に手挙げて。まずひと通り競技言うから聞いとって』




しげが競技名が書かれた紙を見ながら1つ1つ競技名を言っていく。




瑞希はそれを黒板に書いていっている。




全部言い終えたところで、『はい、じゃあ3分シンキングタイムな！3分後に手挙げてってもらうから』としげが言ってシンキングタイムが始まった。



何にしようかなぁ、楽なのがいいなぁとぼんやり考えていると小瀧くんがこちらへ振り返ってきた。




｢佐野さん、何に出るん？｣




きゅるっとした目をしてそう聞いてくる小瀧くん。




何事も無かったかのように話しかけてくるけど、この人のせいでわたしもしげもいらん注目をされてしまったんだよなあ。





｢……｣



｢えっ、無視？！｣



｢小瀧くんのせいでわたしが可哀想、ついでにしげも可哀想｣



｢あぁ、あれか！でも大正解やったんやな、俺｣




｢さいてー｣




｢えぇ。でもみんな薄々気づいてたで？しげが佐野さんのこと好きなの。気づいてへんの佐野さんくらい｣






……まじか。




だってそんな素振りなかったし。大親友やと思ってた奴が自分のこと好きだなんて思うわけないやん。





｢みんなの前でしげと絡みにくくなるやん｣




｢え〜？じゃあしげと絡まんぶん俺と話せばいい｣





やろ？と首を傾げる小瀧くんは相変わらず可愛くて。




さっき公開処刑されたのに何だか許してしまう。





小悪魔だなあ。






『おいコラ。ちゃんとシンキングしろや、そこ』






教卓のところからわたしたちを指してしげが不機嫌そうな顔でそう言ってきた。









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