セカンド･キス

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『でももうAは俺以外の好きな人とかできてるんやないかなって。しかも俺、芸能人やし。……気持ち伝えられても困るやろ？』





『Aに会ってしまうと、苦しかった。もう妹として見れなくて。ちょっと前まで俺の後ろをついてきてたような子が、Aが、どんどん大人になっていって、俺の知らない世界で生きてるんやなって思うと辛かった』





『どうしたらええんやろう？って思った時、会わなかったらこの感情は忘れられるんやないかなって思った。そんで、次会う時にはちゃんと兄として会えるんやないかなって。……自分勝手やけど、4年もAに会わへんかった』








苦しそうなのんちゃんの顔。




泣きそうな声で話すのんちゃんに涙が溢れた。




わたしの涙に気づいたのんちゃんは、ちょっと驚いた顔をしてから柔らかく笑った。





『……相変わらず泣き虫やなぁ』




泣き虫なわたしの涙を拭ってくれるのはいつものんちゃんだった。





『Aに4年ぶりに会った時、心臓バクバクやった。何か、すごく……可愛くなってて。そん時思った。もうどう足掻いてもAを妹やなんて思えへんって』




『思えば、会わへんかった4年間、Aのこと忘れることなかったし。……会いたくてモヤモヤして耐えきれんなってメンバーにも相談してたし』






あぁ。だから、重岡くんは｢小瀧と君の話聞きたい｣
って。



そして神山くんは｢のんちゃんからよく話を聞いてた｣って。









『……お兄ちゃん、こんなに必死やったんですけど、それでも信じられへん？』






気持ちは言い切った！とどこかスッキリしたようなのんちゃん。





ニヤリ、と笑うその顔は、昔から変わらない。



イタズラを企んでる時の顔。



すべて見透かしてる、って顔。








『Aのこと、ほんまに好き』






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