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時が止まったかのように、静かな時間が流れた。
……え?
____俺、
________Aが好き。
のんちゃんが、わたしを好き?
「す、好きってそんなん、」
『妹としてやないから』
わたしの言葉はのんちゃんの言葉にあっさりと断ち切られた。
頭が混乱してて、よくわからない。
『信じられん、って顔』
真剣な顔を崩して、ふにゃっと笑うのんちゃん。
その笑顔はどこか切なそうで。
胸がキュンとなる。……苦しい。
『……俺が、何で4年もAに会いに行かんかったかわかる?』
「……え?」
4年も会わんかった理由?
「……わたしがのんちゃんのこと好きやって気づいてたから?」
『え?』
「わたしに好きでおられても迷惑やから、」
『いや、俺も好きやって言うてるやん。やから迷惑な訳ない』
改めて聞く、のんちゃんの「好き」。
信じられないけど、それはわたしに向けられたもので、顔が熱くなる。
『……めっちゃこすいこと言うけど、Aが俺のこと好きなんやろなってことは……いつやろ、俺が中2の時くらいかな?それくらいから気づいてた』
……ということはわたし小3。
結構序盤でバレてて笑える。
あの頃、のんちゃんに可愛いって思ってもらいたくって、幼ながらに服装も気にしたりしてたもんなぁ。
「……困ったでしょ。小学校課程の半分も満たしてない子供からの好意なんて」
『全然。可愛いなぁってずっと思ってた』
「妹として?」
『うん』
____でも、
『俺がデビューしたあたり、だからAは中1か。あの頃忙しくてなかなか会えへんかったやん?……でも時々会って、そんでその度Aが大人っぽくなっていってて』
まぁ背は小さいままやけど。
『ふと考えたんよ。中学校なんかさ、恋愛しまくりやん?やから彼氏が1人や2人いてもおかしくないやん』
『俺、Aが他の男と楽しそうにしとるの許せるんかなって』
『そしたら何かモヤモヤして。でもそれは兄としての感情なんかなって思ってた。……いや、多分言い聞かせてた』
『でも忙しくてなかなかAに会えてない時、すっごい寂しくて、Aに会いたいってずっと思ってて、妹としてやなくて、1人の女の子として、』
『好きなんやなって気づいた』
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めぐ - ありがとうございます! (2018年8月14日 19時) (レス) id: a7fb3732e1 (このIDを非表示/違反報告)
もとこ(プロフ) - めぐさん» 了解しました!(*^^*ゞここでもお知らせさせて頂きますね! (2018年8月14日 8時) (レス) id: 6be394d6cc (このIDを非表示/違反報告)
めぐ - 続編出したときは、「セカンド・キス」の方にもお知らせしていただけたら助かります! (2018年8月10日 20時) (レス) id: a7fb3732e1 (このIDを非表示/違反報告)
もとこ(プロフ) - めぐさん» 本当ですか!きゅんきゅんして頂けて嬉しいです!(^^)続編も書きたいなぁとは思っているので、続編出るまでお待ち頂けると嬉しいです!嬉しいコメント、本当にありがとうございました! (2018年8月9日 9時) (レス) id: 6be394d6cc (このIDを非表示/違反報告)
もとこ(プロフ) - らなさん» 最後まで読んで下さり、ありがとうございました!そう言って頂けて光栄です!新作もできましたのでぜひ読んで頂けると嬉しいです!素敵なコメント、本当にありがとうございました! (2018年8月9日 9時) (レス) id: 6be394d6cc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もとこ | 作成日時:2018年7月1日 0時