. ページ31
.
誰だろう、なんて考えなくてもいやでもわかってしまうその声。
振り返るとそこには、
「……のんちゃん」
変装代わりに帽子を深くかぶって大きな荷物を持ったのんちゃんがいた。
どちらから話しかけるということもなく、ただただ重い沈黙がしばらく流れた。
それを断ち切ったのは、
「ハッ!!思い出した!!!ジャニーズWESTの小瀧望だ!!!!」
閃いた!!とばかりに目を輝かせた片岡くん。
気まずい雰囲気に気づいていないのか、「な?そうやろ?吉田さん!」とわたしに言ってくる。
そんな片岡くんに笑ってしまった。
一方のんちゃんは、片岡くんの気まずい空気ぶち壊し発言にびっくりしたようで目を見開いている。
「え、何、吉田さん、ジャニーズと知り合いなの?」
片岡くんは好奇心旺盛にそんなことを聞いてくる。
片岡くんのこういうところ嫌いじゃないけど!ちょっと空気読んでほしいかな!
というか、のんちゃんとのこと言っていいのかな……。
チラ、とのんちゃんを見ると、視線がぶつかる。
のんちゃんはわたしが思っていたことがわかったのか、
「初めまして、ジャニーズWESTの小瀧です。Aとは幼馴染なんですよ」
とアイドルスマイルで言った。
すると片岡くんは眩しいくらいの笑顔で「本物だ!」と1人で騒いでいる。
「うわー!あの、俺の妹がジャニーズWEST好きなんすよ!中でも小瀧くんが好きで……」
初対面で、しかも芸能人であるのんちゃんにこんなにナチュラルに話せるの片岡くんくらいだと思う。……コミュ力オバケ。
のんちゃんもびっくりして若干引いてる。
「片岡くん、そろそろ帰らなきゃでしょ」
「あ、そか。じゃあ連絡先、これ」
早くこの場を去りたくて、何だかのんちゃんを見てられなくて、片岡くんにそう言った。
片岡くんの携帯番号を教えてもらって、登録する。
なるべくササッと速やかに作業した。
……のんちゃんがいる前で、こんなことしたくなかったから、かな。
「じゃあ、俺はこれで……」
『あっ、かたおか?くん?』
去ろうとする片岡くんを、のんちゃんが引き止めた。
『俺とAのこと、誰にも言わないで。それと、今日俺と会ったことも』
しーっ!と人差し指を口に当てて言うのんちゃんは可愛くて、キュンとなった。
……まずい。
.
1309人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
めぐ - ありがとうございます! (2018年8月14日 19時) (レス) id: a7fb3732e1 (このIDを非表示/違反報告)
もとこ(プロフ) - めぐさん» 了解しました!(*^^*ゞここでもお知らせさせて頂きますね! (2018年8月14日 8時) (レス) id: 6be394d6cc (このIDを非表示/違反報告)
めぐ - 続編出したときは、「セカンド・キス」の方にもお知らせしていただけたら助かります! (2018年8月10日 20時) (レス) id: a7fb3732e1 (このIDを非表示/違反報告)
もとこ(プロフ) - めぐさん» 本当ですか!きゅんきゅんして頂けて嬉しいです!(^^)続編も書きたいなぁとは思っているので、続編出るまでお待ち頂けると嬉しいです!嬉しいコメント、本当にありがとうございました! (2018年8月9日 9時) (レス) id: 6be394d6cc (このIDを非表示/違反報告)
もとこ(プロフ) - らなさん» 最後まで読んで下さり、ありがとうございました!そう言って頂けて光栄です!新作もできましたのでぜひ読んで頂けると嬉しいです!素敵なコメント、本当にありがとうございました! (2018年8月9日 9時) (レス) id: 6be394d6cc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:もとこ | 作成日時:2018年7月1日 0時