セカンド･キス

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『さすがに酒のところ連れてけへんから、お菓子コーナーとかでも見ててや』



そう言ってのんちゃんと一旦別れた。




言われた通り、お菓子コーナーに行って適当に商品を見る。




飴のある棚を見ると、昔から大好きだった飴。




のんちゃんとよく食べた。






……わたしの思い出、のんちゃんばっかだな。







懐かしさを感じながらその飴を眺めていると、






『お待たせ』




頭上からのんちゃんの声。




｢早いね？｣


『うん』





のんちゃんが持っていた買い物かごを見ると、6本で1束になったお酒が2セット入っていた。




｢みんなそんなに飲まへんの？｣


『強くない人が多いんよ』


｢のんちゃんは？｣


『弱くはない。けど、みんな潰れたら介抱すんの俺やから』



｢しっかり者なんやね｣


『ええ子やろ？俺』



｢やけど、酔ったらめっちゃ甘えん坊になりそう｣



『あ〜確かに！俺、普段からめっちゃ甘えん坊やから』



自分で言うのもなんやけど、って笑うのんちゃん。




のんちゃんは、わたしにとってはかっこよくて頼もしくて優しいお兄ちゃん。




やけど、年下のわたしには見せないだけで、本当は甘えん坊なんだ。



……知らなかった。




『Aは昔は甘えん坊やったよな』



｢のんちゃんにべったりだったよね。今はしっかり者だよ｣



『えぇ、ほんま？』



｢ほんま。多分、酔ってもしっかり者｣




え〜！って大げさに言うのんちゃんに、周りにいたお客さんの視線が集まる。




のんちゃんは焦り笑いながら『会計済まそうか』とわたしの腕を引いた。





えっ、腕なんか持っちゃっていいの？



スキャンダルにならない？




焦る気持ちと、嬉しい気持ちがごっちゃごちゃ。




今日は感情が忙しい日だ。









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