嘘からはじまるストーリー (ページ28)

今日:11 hit、昨日:12 hit、合計:325,067 hit

24 ページ28

…毎度毎度タイミングが悪いんだよな。

母親がああなった原因は、あの人しかいない。
どうせまともな話はできなかっただろうから、私から電話をかけ直す。

？「…もしもし？」

「もしもし、Aです。…お父さん。」

父親「あぁ、A。何かあった？」

この人の当事者意識の無さには本当に腹が立つ

「何かあった？じゃないですよ。母さんが出たら話さずにすぐに切ってっていつも言ってるじゃないですか。」

父親「悪かったって…。」

「謝るなら母さんに謝ってください。
…まあ、会わせませんけど。」

父親「参ったなあ。」

何でそんな被害者ヅラできるのかが不思議でしょうがない。

「振り込みは、ありがとうございます。少しだけ使わせてもらいました。」

父親「…あぁ、それは好きに使ってもらっね構わないんだけど…そんな事より」

父親「A、アイドルになったのか？」

途端に声が出なくなった。
…この人にだけはまだ知られたくなかった。

父親「たまたま父さんの職場の部下にAがいるグループのファンの人がいて、その人が読んでいる雑誌を見せてもらったんだよ。」

「…その部下の人に娘だって言ったんですか？」

父親「ああ言ったよ。」

信じられなかった。
便宜上"お父さん"と呼んでいるだけで、この人のことを父親だなんて思っていないのに。
…私のこと娘なんて言わないでよ。
捨てたのはあなたでしょ。

父親「でも信じてもらえなかったよ～この事務所に女はいない！って力説されて、苗字が同じだけだ！なんて言われて」

「もう良いです。さようなら。」

…アンタのせいで私はこんな事してるのに。