15話 ページ15
you side.
家の中は思ったより綺麗だった。
昨日、掃除をした業者のお陰なのか……
申し訳ないことに、他人が生活をしている空気に、
自分の予言通り、
玄関で早々に吐き気が込み上げたが、なんとか耐えた。
メンバー達は家にはいるようだが、自室にこもっているらしい。
初めは、グクの部屋に案内されたのだが、
ドアの前まで行くと、
JK「あー……さすがにダメですよね、2人だと。リビングにしましょうか！」
と何やら焦った様子でリビングに通された。
さっきの彼は一体何をそんなに焦ることがあったのか…
しかし、
その彼の焦りを上回るレベルで
今私は焦っている。
服着替えてきますね、と自室に行ったグクに置いてかれてしまった私は、
リビングにて彼から借りた台本に目を通す。
自分の台本は家で乾かしているため、グクのを借りた。
触りたくないけど手袋してるし、我慢しよう。
黙々と読み進めるが、
読めば読む程に冷や汗が止まらない。
こんなの聞いてない。
このドラマ、
がっつり恋愛ものだ！！！
ヒロインの私と、主人公のグクの学園系恋愛ドラマ。
いかにも、という感じに甘ったるすぎて胸焼けがする。
モテ男の主人公のグクが、
優等生で生徒会長のヒロインである私に恋をするという話らしい。
主人公はヒロインに全く相手にされず、
これでもかとアプローチをする。
手を繋いでみたり、肩を抱いてみたり、キスしてみたり…。
しかも、これ、ベッドシーンまでって………。
まじで！！！
無理なんですけど？！！！！！！
あの社長！！！
このストーリーを知ってて、私に持ちかけてきたともなれば裁判沙汰も辞さないレベル。
私がこれ程の潔癖症というのを知っておきながら…！
いや、一旦落ち着こう。
今どんなに怒っても、一度受けてしまった仕事に関して何を思っても仕方ない。
でも、これはさすがに……
どうにか上手いこと回避できないものか…
JK「Aヌナ、俺達キスしちゃうんですよね？」
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作者名：瑛韋荼 | 作成日時：2018年8月6日 12時
