【モノノ怪】「お早う」と「お休み」 (ページ2)

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薬売り ♡ ページ2

貴「…」

眠い。

ｻｯｻｯｻ

ﾋﾟｼｬ

押入れを開ける。

ｶﾞｻｺﾞｿｶﾞｻｺﾞｿ

ｽﾞｽﾞｽﾞｽﾞｽﾞ

布団を敷き、其処(そこ)に横になる。

貴(…今日はどんな事が起きた？)

自分に問う。

貴(まぁ、返事なんて来ないよ)

眠くなってきたので、掛け布団を口元(くちもと)までかける。

貴「…」

目を瞑り、出来る(できる)だけ考え事をしない様にする。

貴「…ｳﾄｳﾄ」

段々と意識が薄れる中

ｽﾁｬｯ

貴「？」

戸の開く音で目が覚める。

…ｽﾁｬｯﾂ

戸は閉まり、足音が

ｻｯｻｯｻｯｻ

私に近ずいてくる。

ｻｯｻｯ…ｽｯ

足音は私の隣りで止まり、其の場に座った。

貴「…？」

薬「おや、起こしてしまいましたか」

其処(そこ)には、眠そうな薬売りさんが居た。

薬「少々、眠いのですが、何故(なぜ)か寝れないのですよ」

顔がﾄﾛﾝとしていた。

私は、布団から出て、掛け布団を枕(まくら)の隣りに置く。

薬「何をしているのですか？」

敷き布団の上に正座をし、膝の上を右手で軽く叩き

「おいで、おいで」と、伝えた。

薬「俺に、膝枕(ひざまくら)をしてくれるのですかい？」

貴「ｺｸｺｸ」

首を縦に振り、「いいよ」と伝える。

薬「なら、其の言葉に甘えますよ」

薬売りさんは私の膝の上に頭を乗せた。

薬「あんたの膝は…眠気を…誘う……みたいだ」

薬売りさんは目を瞑り、静かに息をした。

貴(お休みなさい)

…？

貴(手)

薬売りさんはちゃっかり、私の手を握っていた。

貴(布団掛けておこう)

枕(まくら)の横の掛け布団を薬売りさんにかける。

貴(起きた時、どんな反応する？)

其の楽しみは、明日にとっておこう。