7-TEEN (ページ44)

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それだけ言うと、ホシはあっという間にどこかに行ってしまった。

「ちょ、！ホシ！」

遠ざかっていく後ろ姿に慌てて着いていくけど、他のクラスの人達が廊下に出て作業しているのもあって、気付いたら彼を見失ってしまっていた。

急に走り出してしまった彼の不可解な行動に、思わずはぁっとため息が漏れる。

...一体どこに行ったんだろう。

私はどこにも笛を持ち歩いてないって言ったのに。

「偵察か？」

「え？」

パッと振り向くと、そこに立っていたのはなにやら作り途中の、カラフルな屋台の看板を手にしているウォヌ。

彼を含めた隣のクラスの男子達は塗装する部分があったみたいで、廊下に出て作業をしていた。

「あ、いや。なんかホシが...」

「あー、アイツさっき凄い勢いで廊下走ってったな。...何。なんかあった？」

「そういうわけじゃないんだけど...」

そ、とだけ返すと、ウォヌは持っていた看板を私に見せびらかしてきた。

「何？」

「凄いだろ。俺が作った」

「う、うん。そうだね！たしかにすごい綺麗」

私は今それどころじゃないんだけど、自慢げにしているウォヌが可愛くて大袈裟に褒めてあげた。

エッヘンとでも効果音がつきそうなその様子に、ふっと笑みがこぼれる。

「あ、ウォヌ」

「ん？」

「私の笛見なかった？あの、いつも使ってる水色の...」

そこまで言って、やっと気が付いた。

「.........笛？」

ウォヌの顔が、一瞬で冷えていった。