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「ウォヌ、これどこが間違ってるの?」
「おー、ちょいまち。...あ、公式の符号間違えてる」
「うそ!気付いてよかった...」
ウォヌ、文系って言ってたのになんで数学まで出来るんだろう。この顔でこの身長であの運動神経で、更に頭までいいなんて...スペックどうなってるんだ?
「ウォヌ!これ合ってる?」
「お、出来たじゃん」
ウォヌがクシャッとジュンの頭を撫でると、ジュンは褒めて貰えて嬉しいのか、猫のようにウォヌに擦り寄った。
普段はガラガラな図書室も、テスト期間中だけはテーブルが埋まるほどの人気スポットに早変わりする。
ジュンからの一緒に勉強しよう、という提案に二つ返事で了承した私。こうして初めて放課後の図書室に足を踏み入れることになったんだけど、着いてみたらなんと一人で静かに勉強してるウォヌの姿が。
そのまま流れで同じテーブルで勉強することになり、今は1番頼りになるウォヌに数学を教えて貰っている。
「まーでもあんま難しくないらしいし、ここら辺の応用は出ないと思うけどな」
そう言うと、ウォヌはワークをパラパラと捲りながらメガネをくっと押し上げた。
「絶対嘘だよ〜入学式の次の日いきなり課題テストさせられたの覚えてるでしょ?」
「入学前から課題の量おかしかったもんね」
入学するとこ間違えたかと思ったもん!とジュン。
やれ小テストだったり、やれ課題テストだったり...ここの学校の先生は基本信用ならないから、ジュンの言うこともよく分かる。
ヒソヒソと3人で勉強していたら、一区切りついたところでチャイムの音が鳴り響いた。
「...うわ、もう7時か」
「閉館時間だ〜早く出なきゃ」
慌てて勉強道具をまとめると、当たり前のように私の支度が終わるまで待っていてくれる2人。
「こんなに勉強してたんだね!」
「腹減った」
「マック寄ろうよ〜!」
三角チョコパイ食べたい!とかなんとか言ってる呑気な2人の後ろ姿を眺めながら、私は感じていた視線の数々を振り払うようにして足を進めた。
「A早く!」
結局マックフルーリーでまとまった議論を右から左に流しながら、背中に突き刺さるじっとりとした視線達を胸にしまい込んだ。
「...私、マックはいいや」
確かに感じる違和感を背に、半ば無意識のように口から零れ落ちた言葉だった。
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作者名:key | 作成日時:2021年1月5日 15時