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「ウジ!!パス!!」
ホシが声を張り上げると、その瞬間コートの端から端までボールをぶん投げるウジ。
ほんとにあの体のどこにそんな力があるのか不思議だけど、口に出したら締められそうだから静かにしてる。
あれ以来、ホシとウジはきっちり和解したみたいだった。
お互いを尊重するようなプレーに部長さんも納得したらしく、この間の練習試合ではもう2人とも本戦で使ってもらってた。
「ウジ!帰りラーメン寄って帰ろうぜ!」
「...パス」
基本的にはホシがウジをガツガツと攻めに行ってる印象なんだけど、嫌々言いながらも結局はしっかり2人でラーメンを食べに行くから、ホシウジコンビって本当に最強だと思う。
問題をひとつ解決したと思ったら、またひとつ新たな難題が襲い掛かってくる。
「...マネージャー、やめてくれない?」
目の前に広がる、非現実的な出来事に頭がクラクラする。
こんなの漫画の中だけの話だと思ってた。
「なんか言いなよ、」
仁王立ちする4人の先輩に、私はただ固まることしか出来ない。
靴の色から察するに2年生の先輩で、それもジョンハン先輩のファンの人達...だと勝手に解釈してるけど、多分合ってるはず。
「...マネージャーは、やめないです」
やめたくない。
ようやく仕事にも慣れてきて、選手一人一人にも目が向くようになってきた。
クプス先輩はよくトレ室で身体を鍛えてるということ。ジョンハン先輩のシュート率がいいのは沢山練習してるからこそだということ。ジョシュア先輩は周りに目が向いて、試合にはあまり出ないけどチームの支えとなってくれること。
勿論1年生のこともそうだ。まだ1ヶ月ちょっとだけど、部員達のいい所は沢山分かった。
「...バスケが、好きなんです」
バッシュが擦れる音も、ドリブルが響く音も。
一生懸命ボールに食らいつく選手達も。
全部、私の青春だから。
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作者名:key | 作成日時:2021年1月5日 15時