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あの日、画鋲を見つけた日。
その日からずっと、私の下駄箱には毎日必ず何かが入っている。
ある時は脅迫文のようなものだったり、ある時はくずゴミだったり。
おかしいな、とは思ってた。
「A、上履きどうしたの?」
「...いや、なんか無くしちゃった?みたいで...」
「無くした?上履きを?」
ぶかぶかのスリッパを履いている私を見て、眉を顰めるナユン。
上履きを無くしたなんて、そんなことあるわけないでしょって顔してる。
私だって本当は無くしたなんて思ってないよ。上履きなんてずっと下駄箱に置いているものだし、持ち帰ってもいないんだから。
「......心当たりある?」
ただ、力なく首を横に振った。
「......あの、ユンジョンハン先輩っているじゃん」
「え、あぁ、いるね」
昼休みにいつもの4人でお弁当を食べていたら、スアが言いにくそうに口を開いた。
「A、その人のファンクラブがあるの知ってた?」
...ファンクラブ?
ファンクラブってあの、アイドルとかにあるやつだよね。
ジョンハン先輩は確かにかっこいい先輩だけど、流石にそこまでだとは思っていなかった。
「ファンクラブがあるの?」
「らしいよ。2年生中心でね。私も部活の先輩から聞いたんだけどさ...」
バスケ部には2年生のマネージャーが1人も居ない。
それがどうしてかだなんて、一度も考えたことがなかった。
『...2年生のマネージャーさんもいたらしいんだけど、ファンクラブの人達からの圧力でやめちゃったんだって』
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作者名:key | 作成日時:2021年1月5日 15時