7-TEEN (ページ32)

今日:36 hit、昨日:60 hit、合計:338,513 hit

31 ページ32

ある日の練習後。

ユナオンニがこっそりと私を呼んで、小さく耳打ちしてきた。

「ちょっとお願いがあるんだけどいい...？」

「買い出し？」

「そう。ジュンが良ければでいいんだけど、今日一緒に寄り道してくれない...？」

唐突なお願いに彼も困っただろうに、ジュンは二三度目を瞬かせると、すぐに笑顔になっていいよ！と快く了承してくれた。

「何を買うの？」

「とりあえずこんな感じ...」

「わ、これは大変だ」

ユナオンニからの頼み事は、スポドリや麦茶パック、プロテインなどの買い出しのお願いだった。

買うものリストを渡されたんだけど、思いの外量が多くて。一人で行くのも心配だったからジュンに着いてきて欲しかったのだ。

嫌がる素振りも一切見せずにOKを出してくれる彼の心の広さに感動する。さすが高嶺の花のムンジュンフィこと、南棟の王子様。

「行こっか！荷物は僕が持つよ」

大陸の奇跡は、やっぱり優しさも奇跡らしい。

「プロテインは何味？」

「んー、書いてないな...。一応毎回マネージャーが味を決めてるらしいんだけど、部室に残ってたやつって何味だったっけ...」

「あー、確かバナナとミックスフルーツ！じゃあイチゴとチョコにする？」

ジュンがいてくれて良かった。荷物も持ってくれるし、一つ一つ手伝ってくれるし。

1人だったらきっと迷いまくって大変なことになってたと思う。優しいジュンに感謝だ。

「麦茶パック買ったでしょ？スポドリの粉もプロテインも買ったし......ビニール袋も買ったね。あとは何かある？」

「後は...えーっと、テーピング！」

「テーピングか！了解！」

ジュンはそう言って貸して、と言うと私の腕からイチゴ味とチョコ味のプロテインを颯爽と奪い去った。

そうして2つのプロテインはそのまま彼の持っているカゴの中に飛び込んでいってしまい、もう私の元には戻ってこない。

ジュンが持ってくれているカゴの中には既にありとあらゆるものが沢山入っているし、プロテイン一袋ってかなり重いのに。

「いいの？」

「いーの！Aはいつも重たいもの運んでくれてるじゃん」

「ジュナ～～！ありがとう！！」

「んーん、気にしないで！」

結局、ジュンのおかげでスムーズに買い出しが進み、無事に必要なものを全て買い揃えることが出来た。