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趣味が合うと気が付けば最後。最初は2人きりなんて気まずそうとしか思ってなかったけど、意外にもウォヌは喋りやすかった。
空気感が同じなのかもしれない。何となく波長が合うというか、気も合うし。
「そろそろ終わりそう！急いで部活行こう」
頼まれたしおりもあと僅かで、早く部活に行きたいことを全面的にアピールをする。
私の言葉にはいはい、と返したウォヌは最後の冊子を綴じ終わると、ゆっくりと上体を起こした。
「......気にしてんの？」
じっと見つめられて固まってしまった。
さっきまで楽しく雑談していたのに、いきなり空気が変わったかのようにその場に閉じ込められる。
「ホシとウジ、気にしてんだろ」
ウォヌと私は波長が合う気がすると言ったが、まさかここまでだとは思わなかった。
彼のその鋭い目に見つめられると、息が詰まる心地がする。
「...ごめん、お節介だったかな」
「いや、違くて。そういうことじゃなくて...ただ、Aが思い悩んでるように見えたから」
ホシ、元気ないだろ。と言われてハッとした。
ウォヌは毎朝ホシと登校して、ホシと帰っているんだ。最近元気がなさそうなホシのことは、彼も毎日見てるはず。
「ずっと敵だったから、今更味方なんて言われても上手くいかないんだよ」
「...2人とも、仲良くなれないのかな？」
「それは俺にも分かんないけど。でも、ウジにも話聞いてみる」
だからあんまり心配すんな、と言われて肩の荷が降りたような気がした。
チームのサポートはマネージャーの仕事。ユナオンニからも双方に気を配るように言われてるし、私としても2人をどうにかしなきゃと気を張りすぎていたみたいだ。
ウォヌの言葉にふっと糸が切れた。
「ただでさえ自分の仕事で忙しいんだから、どこもかしこもフォローしようなんて思ってたら死ぬぞ」
「死っ...！？」
「比喩な、比喩」
同じクラスだからか余計ホシの不調が目に付いて、知らず知らずのうちに悩みが溜まっていたみたいだ。
それに気づいて、気を配ってくれたウォヌに有難くて小さくお礼を言う。
第一印象の時はちょっと怖そうだったけど、ウォヌってやっぱりいい人だ。
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作者名：key
| 作成日時：2021年1月5日 15時
