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決意表明が終わると、先輩達は満足そうにして私達を座席に戻してくれた。
これにて新入部員歓迎会は終わりらしい。美味しいお菓子も食べたし、お話も聞いたし。あっという間にお開きになったみたいだ。
「Aちゃん、ちょっといい?」
ユナオンニにコソッと耳打ちされ、なんだろうと期待を込めてついて行く。
連れて行かれたのは部長さんの元だった。
「マネージャーに入ってくれてありがとう!大変だと思うけど、一緒に頑張ろうね」
「俺達からもよろしくな!」
2人の言葉に感動しながらも、私も大きな声で返事をする。
するとユナオンニは、後ろの方から何かを取りだした。
「はい!これ」
「...えっ、笛?」
「これから使うようになるから、相棒として持ってて欲しいの!マネージャーの証だよ」
手渡されたのは、淡い水色の紐が付いた笛だった。
どうやら練習中に笛を使う場面が多いらしく、歴代のマネージャーはみんな持ってるんだとか。
「ありがとうございます!」
早速肩からかけると全く重くなんてないのに、ずっしりとした重厚感を感じた。
全ての責任がここに詰まってるんだ、頑張らなくちゃな。
でもそれと同時に自分の存在が認められたような気がして、なんだか嬉しかった。
「パクさんはコートネーム何にするの?」
「コートネーム?」
「そう。なんか個人で考えるんだって!」
後片付けのため机を直したりしていたら、同じく掃除を手伝っていたムン君に話しかけられた。
「え、私もあるの?」
「何言ってんの、みんなあるよ!」
でもユナオンニは本名でしょ?と思ったけど、本名がいいなら本名でもいいらしい。
とにかく自分の好きなように出来るのか。面白そう。
「ムン君はどうするの?」
「ムンジュンフィだから...んー、ジュンとかかな。短いし呼びやすいでしょ?」
「いいね!かっこいい」
ジュンか、本人に似合ってるしかっこいいな。
2人でコートネームについて話していると、いつの間にかいたのかクォン君まで話に加わってきた。
「俺、ホシ!」
「ホシ?」
「虎の視線でホシ!!コート上で虎になるんだ〜!!!」
Tシャツの時も思ったけど、虎ってなんだ?ノリノリみたいだから何も言わないけど。
そんな時に後ろからチョン君がぬっと現われて、コイツ重度の虎好きなんだよ、と言った。虎好きか...パンチすごいな。
「俺が虎だ!!」
ガオーッと吠えてる?けど、浮かび上がる動物は虎と言うよりハムスター。ほんとにキャラ濃いな...。
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作者名:key | 作成日時:2021年1月5日 15時