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「6組のムンジュンフィ!入学式で早々告白されて伝説作った人!」
「.........伝説?」
「逆になんで知らなかったの!?みんな王子様って呼んでるじゃん!」
「えっ、初めて聞いた...」
その日の放課後。お昼にあったことをスア達に話したら、やっぱり彼はもう話題の中心になっていたみたいだ。
高嶺の花のムンジュンフィ、南棟の王子様、大陸の奇跡...なんとまぁたくさんのあだ名があるもんで若干引いてしまった。恐るべしムンジュンフィ。
「バスケ部ってイケメン揃いらしいからね、マジで」
「うわそれ私も聞いたことある!!」
スアの言葉にナユンが食い気味で返事をしていて、やっぱりこの2人は生粋のミーハーだと思う。ジアは呆れながらも話を聞いていた。
「3年の部長さんもイケメンみたいだけど、2年がレベチらしい」
「そう、ほんとに!!この前名前だけ聞いたんだけどね...なんだっけ、ユンジョンハン先輩?だっけ」
「それかも!!それだ!!」
A知らない!?と聞かれても、まだ部員さん達の名前知らないからなぁ、なんとも言えない。
曖昧な返事しか出来なくてミーハー2人にブーブー責められてしまった。
いやだってまだあんまり仲良くないんだもん、仕方ないよね。
「もし分かったら感想教えてね!?」
とりあえず興奮しまくる2人にはいはい、と適当に返事をしといた。
「.........あ、」
慌てて口を塞いだ。いけないいけない、思わず声が出ちゃった。
目の前の男の子は、いきなり声を上げた私を見て不思議そうに目をぱちぱちしている。そちらには面識はないんだろうけど、私にとっては見覚えがあるのだ。
「...イジフン君?」
「?お前、なんで俺の名前...」
「バスケ部入ったの!昨日練習来てたでしょ?」
私の言葉に納得したのか、イ君はあぁ、と頷いた。
「今日も見学来るの?」
「もう入部届出したからな」
クォン君同様、この人も根っからのバスケ馬鹿らしい。
私と同じくらいの身長か、少し高いくらいのイ君は見るからに可愛らしい感じの子なんだけど、思ったよりも男前?っぽい。
ていうかみんなもう既に入部してるんだ。クォン君やチョン君は昨日の時点で入部してたし、人のこと言えないけど、バスケ大好きな人達ばっかりなんだなぁ。
何だか嬉しくて、楽しそうでワクワクする。
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作者名:key | 作成日時:2021年1月5日 15時