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テヒョンさんだけじゃない。
ジンさんに、シュガさんに、J-HOPEさんに、RMさんに、ジミンさんに、ジョングクさんまで...勢揃いだ。
「...君達は、」
「彼女から手を離して下さい。」
テヒョンさんの真っ直ぐな瞳が、相手を鋭く睨みつける。
それでも私の腰から手を離さない相手を見かねたのか、続けてジミンさんが前に出てきて相手の腕をするっと解いた。
「まさかあの有名なテレビ局の有名なディレクターさんが、こんな風にアイドルの卵を食い散らかしてるなんて知られたら...ねえ、どうします?」
「何が言いたいんだ。」
「週刊文集に名前を載せたいのなら止めませんよ。」
ふわふわしている普段のジミンさんとは全く違う。
笑っているのに全く笑っているように見えなくて...作り物のその笑顔は、なんだかとっても怖い。
会ってから磁石のようにずっとくっつかれていた体がようやく離れ、やっと体にまとわりついていた不快感が拭えた。
安堵感に体の力が抜けたところを、ジンさんに優しく肩を抱かれる。
「大丈夫?」
「っ、はい。」
石鹸のような優しい匂いがする。
さっきのおじさんとは全く違う、いい匂い。
「この件は君達には関係ない。」
「あります。放っておけません。」
「事務所に報告するぞ。」
「それで困るのは貴方の方では?」
ジミンさんと相手の口論が段々とヒートアップしていく中で、ジンさんは私を自身の体の後ろに隠した。
視界いっぱいに彼の広い肩が広がった途端に、助かったと実感することが出来て安心で目頭が熱くなる。
そんなときに、私を後ろから見ていたのだと思うシュガさんが着ていたジャケットを脱いで私の肩に掛けてくれた。
大胆なドレスの肌の露出面積が一気に少なくなり、そこまで気を回してくれていた先輩方の優しさでもう一度涙腺が崩壊しそう。
ただただ俯くことしか出来ない私の頭を、シュガさんの手がくしゃっと撫でた。
「わりぃ、」
何が、と聞く暇もなく再び頭を撫でられる。
雑だったけど、あったかい大きな手だった。
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てこゆの(プロフ) - もえさん» わー!!嬉しいお言葉ありがとうございます!!更新頑張ります!! (2020年6月13日 21時) (レス) id: bebd489c5d (このIDを非表示/違反報告)
もえ - 更新ありがとうございます!!こんなにハマった小説はじめてです!!!これからも応援しています! (2020年6月13日 17時) (レス) id: 43897485ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:key | 作成日時:2020年6月9日 19時