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学校に行って、ダンススクールに行って、ボイトレ教室に行って、自宅に帰って、寝て起きたらまた学校に行って、なんていう生活を繰り返して数ヶ月が経った。
相変わらず韓国語の発音は悪いし、ダンスだってまだまだだし、歌だってまだカラオケレベルだ。でもそれでも、この忙しい生活が、いつか私を変えてくれると信じていた。
バタバタ過ごしているうちに季節は目まぐるしく変わり、私にとっての韓国での初めての冬がやってきた。
ソウルの冬は想像していたよりもずっと寒かった。
汗をかく量は減ったかもしれないけど、それによって代謝が悪くなってしまい顔も手足も浮腫がちな日々が続いていた。
そんな時に、やっと待ち望んでいた大手事務所のオーディション期間がやって来た。
SM、YG、JYP。私はこの3社を目標としていた。
本当はBIG HITのオーディションを受けたいところだけど、あそこは今ヨジャを募集してないから。
オーディションが近づいてくるにつれて、夜中まで起きてダンスの練習をして、ジミンちゃんが睡眠時間3時間なら私は2時間で頑張らなきゃ。元々の才能がないんだから、努力で補わなきゃ。
なんて死に物狂いで詰め込まれたスケジュールをこなして、睡眠不足でも学校の授業は起きていられるようにキツめのエナジードリンクを飲んだりもしていた。
正直、キツかったと言えばもちろんそうだ。辞めたいかと言われたら、辞めたいなんて答えてたかもしれない。
でも、常に辛い時には心のどこかにバンタンがいて私を励ましてくれていた。
まだやれる。まだいける。諦めるな。諦めちゃダメだ。
もっともっと頑張れる。もっともっと成長したいんだ。
微かに残った希望だけを胸に、そうやって毎日を必死に生きていた。
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てこゆの(プロフ) - ?めぃろ?さん» コメントありがとうございます!!(TT)お褒めの言葉嬉しいです!私も現実感を意識して作った物語なのでそう言って頂けて嬉しいです〜!! (2021年4月26日 17時) (レス) id: bebd489c5d (このIDを非表示/違反報告)
?めぃろ?(プロフ) - アイドル系の小説って、夢主が完璧すぎてどうしても引っかかってたんですけど、こういう現実的な小説を求めてたので、すごい嬉しいです。 (2021年4月26日 16時) (レス) id: a284f3be6e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:key | 作成日時:2020年5月12日 19時