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「ジョングギパート、最初が最後どっち歌いたい?」

「えっ。」

急な質問に驚いて目を見開いてしまった。

最初のところは言わずもがなあの始まりの部分で、最後のところはもしかしてあの高音のところ...?あまりにも大役すぎる。

それでも真剣な顔で見つめてくるシュガさんは本気なんだと思うし、このグループで本気で素晴らしい舞台を作ろうとしている。

だから無理だなんて言えるはずもなくて、震える声で

「最後の部分を歌わせて下さい。」

と言った。

これはチャンスだ。シュガさんから貰った、大切なチャンス。

やるしかない、そう思った。

私のその答えに満足そうに頷いたシュガさんは、決定、と言ってペンを走らせた。

心臓が変にドキドキしている。まだ本番前だというのに暴れ回って死んでしまいそうだ。

...やってやる。

絶対に成功させてやる。



「お疲れ様でした!」

こうしてやっと長い練習が終わった。

もう外は真っ暗で、こんなに時間が経っていたのかとびっくりする。

時間はすっかり夜だけど私が今日の自分の出来に満足しているはずもなくて、またフロントからお昼の時と同じ部屋を借りて自主練を始めた。

下を向かず、前だけ向いて。

シュガさんからの言葉を心に刻んで、ジミンさんから教わった細かいフリも全部拾う。

休んでる暇があるなら練習しなきゃ。

正直歌もダンスもダメダメだ。

到底人様に見せられるレベルじゃなくて、分かっていたことだけど人間だからやっぱりちょっとは落ち込む。

はぁ、と音楽を止めて壁に背中を預けてため息をついた。

ダンスは言わずもがなボロボロだし、歌も音程が取れるくらいで声質も悪いしテクニックもアマチュア。

まだまだ練習が足りない。練習しなきゃいけない。

本当なら事務所に帰って夜明けまで練習したいところだけど、先輩からの嫌がらせのせいで帰る場所もなくて、それがすごくもどかしくて。

行くあてのない道をずっとさまよっているような気分だった。

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設定タグ:BTS , 防弾少年団 , BigHit   
作品ジャンル:タレント
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てこゆの(プロフ) - ?めぃろ?さん» コメントありがとうございます!!(TT)お褒めの言葉嬉しいです!私も現実感を意識して作った物語なのでそう言って頂けて嬉しいです〜!! (2021年4月26日 17時) (レス) id: bebd489c5d (このIDを非表示/違反報告)
?めぃろ?(プロフ) - アイドル系の小説って、夢主が完璧すぎてどうしても引っかかってたんですけど、こういう現実的な小説を求めてたので、すごい嬉しいです。 (2021年4月26日 16時) (レス) id: a284f3be6e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:key | 作成日時:2020年5月12日 19時

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