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午前中のダンス練習が終わった直後だった。
「ユンギヒョン。」
ん、と振り返ると何やら険しい顔をしているジミニ。
「...あの子、」
チラッとジミニが視線を送った先には、泣きそうな顔で練習室を出ていくヨジャの練習生の子が見えた。
「あー...俺もちょっと、っていうか結構やばいと思ってた。」
単に技術が足りないのもあるし、加えて自分に自信が無いのか表情も暗くて体もガチガチに固まっていた。
あの子以外はスラスラ踊れていたから、そこも結構プレッシャーになったりしたんだろう。
テレビも初めてみたいだし、日本人の子だし、何だか色々大変そうだ。
と考えてるのはジミニも同じらしく、2人で追いかけようということになった。
こうして向かった先は廊下の隅っこの小さな練習室。
俺らも他の練習生も使わないような場所でびっくりした。
ちらりと中を覗くと、汗ダラダラでずっと泣きそうな顔をして踊ってるさっきの練習生の子。
「普通にリズム感はいいと思うんだけど。」
「体の使い方も悪くないし、音もちゃんと取れてるのに、なんであんなに悲しそうな顔して踊ってるんでしょうね。」
ジミニの言う通り基礎的な動きはちゃんと出来てるみたいだし、音取りにも問題があるようには見えなかったから、これから練習すればもっともっと踊れるようになるはず。
「自信、ねぇんだろうなぁ。」
デビューしてもないのにいきなり番組でプロと混ざられて踊らされてもそりゃあ萎縮するし辛くなって当然だろう。
今更だけど、やっぱりアイドルって怖いなぁなんて思ってしまった。
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てこゆの(プロフ) - ?めぃろ?さん» コメントありがとうございます!!(TT)お褒めの言葉嬉しいです!私も現実感を意識して作った物語なのでそう言って頂けて嬉しいです〜!! (2021年4月26日 17時) (レス) id: bebd489c5d (このIDを非表示/違反報告)
?めぃろ?(プロフ) - アイドル系の小説って、夢主が完璧すぎてどうしても引っかかってたんですけど、こういう現実的な小説を求めてたので、すごい嬉しいです。 (2021年4月26日 16時) (レス) id: a284f3be6e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:key | 作成日時:2020年5月12日 19時