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練習生もプロと混じってステージを披露できる...?と聞いて目が点になって固まる私達練習生組と、おぉ!楽しそう!と口々に盛り上がるデビューアイドル組。
あまりにも半々すぎる気持ちの別れようにMCがすかさずツッコミを入れると、またしても会場は爆発的に盛り上がった。
「普段過酷な練習を耐えているという練習生の皆さん!!これは自己アピールのチャンスですよ!!!」
中にはあまりの衝撃と嬉しさで涙を零す練習生も居て、私も私で涙を堪えるのに精一杯だった。
「13番の子泣きすぎ!可愛い顔が台無しだよ!!」
「15番の子息してる!?固まらないで!!」
と次々と飛んでくる言葉で自然と笑みが零れて、スタジオには暖かい空気が流れた。
「いや〜なんだか凄いことになりましたね!」
「ドッキリとかじゃないですからね!?ちゃんと枠取ってますから!!」
「なんだかものすごい衝撃を与えてしまったようなんですが、早速ですがこれからチーム決めをしていきたいと思います!」
ドン、という効果音と共にスタジオに登場した1つの大きな箱。
上は丸く穴が空いているから、きっとあそこ
から手を入れるくじ引き式なんだろう。
MCの支持によりまず先にアイドル組がくじを引いていく。
抜群にスタイルのいい集団がぞろぞろと1列になって箱に手を入れるもんだからなんだかシュールで笑ってしまった。
引いた紙にはアルファベットのA〜Hが書いてあるらしく、その紙の通りに移動したアイドル達は8列に綺麗に整列した。
中には少しメンバーが削れただけで同じグループが固まってるところもあったし、ここのグループとここのグループの合体って感じでチームが完成しているところもあった。
メインラッパーが揃っちゃってボーカルラインが居ないところとか、各グループのビジュアル担当の寄せ集めチームだとか、完全なヨジャグルとか、もうそれは多種多様だった。
続いて練習生達も1番から順に長い列を作り、1人ずつ箱に手を入れていく。
私は真ん中よりも少し後で、80人のうちの65人目だからもうそんなにくじは残っていなかった。
残り物には福があるっていうし、なんて暴れ回る心臓を抑えてそろりと箱に手を入れた。
直感でこれだ、と思ったものを素早く手に取り、まだ自分では見ないで後ろにはける。
周りを見渡してみるともう既にアルファベットを見た人が移動を始めていた。
いざ見ようとすると緊張で手が上手く動かなくて、一度大きく深呼吸をしてまた再度紙を開く。
パッと出てきた文字はHだった。
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てこゆの(プロフ) - ?めぃろ?さん» コメントありがとうございます!!(TT)お褒めの言葉嬉しいです!私も現実感を意識して作った物語なのでそう言って頂けて嬉しいです〜!! (2021年4月26日 17時) (レス) id: bebd489c5d (このIDを非表示/違反報告)
?めぃろ?(プロフ) - アイドル系の小説って、夢主が完璧すぎてどうしても引っかかってたんですけど、こういう現実的な小説を求めてたので、すごい嬉しいです。 (2021年4月26日 16時) (レス) id: a284f3be6e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:key | 作成日時:2020年5月12日 19時