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小顔矯正して、目頭切開して、二重幅を広げて、鼻にヒアルロン酸を入れて、顎をスッキリさせて、頬骨を高くして...あれよあれよと決まっていく整形の計画に、私は何も出来ないままその場に突っ立っていた。
こうなれば全面的な顔面改造だ。
ドアに反射する自分の顔を見ていると、急に悲しくなってしまってずっと俯いていた。
「整形費用は事務所が受け持つ。期待してる。」
とだけ言われて、半ば強引に整形が決まった。
すっかり遅くなってしまった時間に、今日はなんとなく練習する気になれなくて外へ飛び出した。
今は夏の夜らしい生温い風にすら不快感を感じてしまう。
「っ。」
そんなに私の顔ってダメですか。
心の奥底ではどこか自分のビジュアルを卑下している部分があったのかもしれない。
だからその他の部分で補おうと必死に練習していたのに。
確かにトップアーティストに比べたら塵みたいなものだけど、それでも自分の未完全な顔には愛着を持っていた。
自分の顔が全部変わってしまうことを考えたら辛くて仕方なかった。
親に言ったらきっとすごく悲しむに違いない。それでも2人は優しいから、夢のためなら仕方ないなんて肯定してくれるんだろう。
可愛くなれたら、とは幾度も願ったことがある。
でもこうしていざそれが現実になるのだと考えると、不思議な感覚で酷く気持ちが悪かった。
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てこゆの(プロフ) - ?めぃろ?さん» コメントありがとうございます!!(TT)お褒めの言葉嬉しいです!私も現実感を意識して作った物語なのでそう言って頂けて嬉しいです〜!! (2021年4月26日 17時) (レス) id: bebd489c5d (このIDを非表示/違反報告)
?めぃろ?(プロフ) - アイドル系の小説って、夢主が完璧すぎてどうしても引っかかってたんですけど、こういう現実的な小説を求めてたので、すごい嬉しいです。 (2021年4月26日 16時) (レス) id: a284f3be6e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:key | 作成日時:2020年5月12日 19時