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それからは、正気が抜けたような生活を送っていた。
スケジュールは前と変わらないし、むしろもっと詰まっているはずなんだけど、心のどこかでもう夢を諦めている自分がいるのかもしれない。
いくら予定を詰めたって空っぽになったこの心が埋められる訳でもないし、虚しさだけが積もるだけだ。
そんな私に転機が訪れたのは、年明けのある日の事だった。
いつも通り学校に通い、ダンススクールに向かっていた時。
大きなサングラスを掛けた、見たことも無い男性に声をかけられた。
「すみません、私こういう者なんですけれど...。」
「?はい。」
受け取った名刺に書いてあったのは、聞いたこともないような芸能事務所の名前だった。
「アイドルに興味あったりしませんかね?」
名前も知らないよく分からない事務所だったし、着いて行ったら危険な目に逢ったかもしれない。
でも、私はこの微かな光を逃したくなかった。
ほんの小さな灯りでもいい。夢に近づけるなら何でも良い。
こうして、私は晴れて練習生となった。
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てこゆの(プロフ) - ?めぃろ?さん» コメントありがとうございます!!(TT)お褒めの言葉嬉しいです!私も現実感を意識して作った物語なのでそう言って頂けて嬉しいです〜!! (2021年4月26日 17時) (レス) id: bebd489c5d (このIDを非表示/違反報告)
?めぃろ?(プロフ) - アイドル系の小説って、夢主が完璧すぎてどうしても引っかかってたんですけど、こういう現実的な小説を求めてたので、すごい嬉しいです。 (2021年4月26日 16時) (レス) id: a284f3be6e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:key | 作成日時:2020年5月12日 19時