好きだから仕方ない

香り ar×ym×cn ページ1

Chinen side






涼介の香りはすぐに分かる




甘ったるいのに、きつくなくて、落ち着く香り…




市販の香水なのに、



涼介はそれを自分の香りにしちゃうんだ




だから、いくら同じ似た香りが鼻をくすぐっても



直感で涼介のものではないって分かった





でもね、最近、



涼介の香りに別の香りが混ざり込んでくる







「ちーねん！」







「わぁっ、、いきなり抱き着かないでよね、！」







ごめんごめん、と謝りながらも



全く離れる気配はない




いつもなら嬉しいはずなのに



今日は一段とあの香りがして、胸が締め付けられる




お願いだから、離れてよ



これ以上僕を醜くしないで…







「どうした？」







そんなこと思ってるなんて、



涼介には分からないよね




僕と涼介じゃ好きの意味が違いすぎるもん







「…ううん、何でもないよ」







あいつの匂いなんか、僕が消してあげる




そうすれば、涼介を見失わなくて済むから





ねぇ、涼介、





＿＿＿僕に染まって…？

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