#10 ページ11
.
ym side
見慣れない面々にいつしか頭の端の方に追いやられた人見知りを発動させる。何人か同じクラスだった人もいるが、特に挨拶を交わす程度で深く話したことがなかった。
え、友達ってどうやって作んの？なんて声掛ければいいんだ？友達出来んのかこれ。あれちぃはどこ？俺も無理して進学クラス行けば良かったあああ！！！
せめてもの救いはこの窓際の席。きっと周りからは一人外を眺めるクールな奴に見えているであろう。その結果、余計に声を掛けられない。
まずいまずい。まずいまずいまずいまずい…
「あれ、山田？」
頭の中は既にパニック祭りの開催宣言をするところだったが、とうとう声をかけて貰えた。物好きな奴がいるもんだなあと思う反面、喜びつつ、その人の顔を見上げる。
「やっぱ俺らすげぇな」
それは見知った顔であり、見飽きた顔だった。
“山田と知念！自分らの世界に入るの禁止！俺も入れろ！”
初めて声を掛けられたあの時と重なる。何にも成長してない。かと言って、劣っているわけでもない。
「またよろしく！」
“今日からよろしくな！”
「よろしくな、大ちゃん」
眩しくて、思わず目を逸らしたくなるキラキラの笑顔。こっちまで笑えてくる魔法のような笑顔。
お前ら顔まで似てきた？なんて野次が飛んできて、俺ら前世双子なんで、と彼がふざけて肩を組んでくる。
なんだ…。彼がいるなら大丈夫じゃないか。それなら新しいクラスも悪くないと思った。
…のに、
「大貴！」
「おお。お前もこのクラス？」
「そうなの！よろしくね！」
「おう」
また、チクリと胸が痛む。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 162人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Mii(プロフ) - レスありがとうございます！公開の日が来るまで楽しみに待たせていただきます(^-^) (2021年1月27日 23時) (
レス) id: eb6e9cfbd6 (このIDを非表示/違反報告)
pinpon.(プロフ) - Miiさん» 大変遅くなり申し訳ありません！ありがとうございます！只今パスワードの掛かっている作品は公開しておりません…。作者気まぐれ野郎なので、まだまだ時間が掛かると思いますが、ゆっくり公開して行こうと思います！把握お願い致します！(TT) (2021年1月27日 16時) (レス) id: 671fd6fae5 (このIDを非表示/違反報告)
Mii(プロフ) - こんにちは！pinpon.さんのお話楽しく読ませていただいてます！他の作品も読みたいので、よかったらパスワード教えていただけませんか？これからも応援しています！ (2020年12月26日 11時) (レス) id: e2f37fc92c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：pinpon. | 作成日時：2020年11月26日 15時
