忘れてくれて良かったんですよ ページ21
あの大事件が終わって数日後、今私はRX-7に乗せられている。
「誕生日なんてお祝いしなくても良いと思うんですよね
ましてや外出だなんて」
「なんでそんなに不貞腐れてるんだ?」
「…2人っきりが良かったなぁって」
「(甘えたかったのか)
じゃあ戻るか」
「え、良いんですか?」
「それがお望みなら
ケーキの材料は買ってあるし
行く当ても決めてないドライブだからな」
「決まってなかったんですか」
それには答えずに、ギアをチェンジさせて自宅に戻るために急Uターンをする。Aが、交通法違反とぼそりと言ったのも気にしない。自宅に帰ったら、そんなのどうでも良いくらい楽しい時間が待っているからである。
彼女は外ではツンツンしているが、自宅なんかの安心できる空間では甘えてきてくれるのが最高に可愛いのだ。
家に着くとケーキ作りを始めるから、少しリビングで待ってろと言われたので、ポーと一緒に待っている。なんだか冷蔵庫に大量に材料があったのだが、もしかしなくてもあれが全てケーキになるのだろうか。
コナン君やパパなんかも呼ぼうかな、でもそうすると甘えられなくなるので頭の中で却下する。うん、後日呼んだりすればいいかな。
「ポー、誕生日もたまには良いものだね」
「ワン!」
「まぁ、たまにはって言っても1年に1度なんだけどね
ポーは本当に可愛いね」
「ほい、まずは昼食な」
「ありがとうございます」
そう言って、食べだすものは良いものの大嫌いなセロリが入っているので、それを避けて食べていると降谷さんが、なんで残しているのかと尋ねてきた。
「セロリは人間の食べ物ではないと思ってます」
「ほぉ」
「まぁ、零さんはゴリラですから例外なんでしょうけどね
…なんですか、そのフォークに乗っているのは」
「セロリ好きになるまで、食べさせてやるよ」
「絶対に嫌です」
「セロリは生に限るぞ」
「うっわ
本当にあり得ないです
セロリ食べるくらいなら
ジェットコースター乗ったほうがましです」
「ちょっとよくわからんが
とりあえず食べてみろ
味付けしてあるから食べられるかもしれないぞ?」
「嫌です」
頑なに拒否する彼女に苦笑いを浮かべつつ、口にセロリを含む。好物だけあって、変な味付けで泣ければ僕にとっては美味しいのだが…そんなことを考えつつ、彼女の方に移動して口づけするように、口移しでセロリを食べさせてやる。
文字通り、彼女は顔を真っ赤にさせて寝室に逃げ込んだ。
「セロリってそんなに不味いのか?」
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おもち(プロフ) - 続き待ってます!頑張ってください! (2020年6月7日 11時) (レス) id: da120451b3 (このIDを非表示/違反報告)
花束 - 面白いです!更新楽しみに待ってます、頑張ってください! (2020年4月22日 2時) (レス) id: 214425843c (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - 更新する予定はありますか?好きな作品なので待ってます。 (2019年5月27日 19時) (レス) id: aff190880b (このIDを非表示/違反報告)
ルート(プロフ) - 北海道大変でしたもんね…本当このお話テンポが自分好みで面白いです!次の更新まで読み返しながら楽しみに待ってます!無理はなさらないでくださいね! (2018年12月28日 17時) (レス) id: e7cea7fca8 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - 明里香さん» ありがとうございます。訂正しました! (2018年7月30日 7時) (レス) id: af792d1093 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:零 | 作成日時:2018年6月1日 23時