【ハイキュー】れもん味【短編集】

【赤葦京治】《どうして.3》 ページ9

＊


ぴゅう、と冷たい風が冷えた心と体を、吹き抜けていく。

手元にある、紙に目を落とす。

Aが、俺が病室にくる前に書いていたらしい手紙。

あて先には京治へ、と可愛らしい字で書いてある。

そっと開いて内容を読む。

―――――――――――――――――――――

京治へ


いままで、たくさんたくさんの楽しい事があったよね。私、幸せだった。

でも、、幸せだった分、辛い事もあるのは当然で、皆を悲しませる事になっちゃった。

楽しかったんだ。

初めて彼氏が出来て。

大好きな人と一緒にいれて。

ありがとう。ありがとう。

こんなのじゃたりないくらい感謝してる。

本当に、ありがとう。

最後に。


京治。


世界中の誰よりも、愛してる。

それは、私が死んじゃってもかわらない。

愛してる。…

生まれ変わったとしても、

私はきっと貴方に会いに行くよ。


バレー、してる京治が大好きなんだから、

頑張ってね。

いつまでも、応援してる。

――――京治、ありがとう。愛してるよ。


Aより。

―――――――――――――――――――――


「…は、は。俺も、愛してるよ…っ。」

涙が止まらなかった。

ぬぐっても、ぬぐっても。

忘れないよ。忘れない。一生、忘れない。



だから、もし天国というものがあるのなら、


見守っていてね。



愛してるよ。これからもずっとずっと。





―――――――
シリアスむずい

【狐爪研磨】《ほのぼのと.》→←【赤葦京治】《どうして.2》

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す