【ハイキュー】れもん味【短編集】

【松川一静】《回ったのは甘い毒.》 ページ45

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じわりじわり、
身体中に毒を回していくかのように俺に依存させる。


俺が隣に居ないと違和感を感じるように。
俺に甘やかされるのは当たり前と思うように。
俺に守られるのは当たり前だと思うように。
俺がお前に特別優しいのが普通と思うように。




でろでろに甘やかして甘い甘い毒を回す。
気付いたときにはもう遅い。
お前は俺から離れられなくなっただろ？



「ねえ松川。私らの距離って可笑しい？」


「？普通でしょ。」




そう、普通だ。
歩く時に手が触れる距離なのも、
弁当のおかずを交換して食べさせあうのも、
俺の膝に座って本を読むのも、
俺の言うことを絶対信じるのも、


全部普通なんだ。だからAは気にしなくていいよ。




「Aはいつも通りのAで良い。気にしなくて良いからお菓子でもお食べ。」

「…そっか。そうだよね。松川に言って良かった！」



くしゃりと笑ってお菓子を頬張るAを見詰めて、ちょろい。と思いながら可愛いAに可笑しいと思わせたであろう人物にメールを送る。







邪魔すんなよ、及川。


でろっでろに溶けるくらいに甘やかして甘やかして依存させて俺しか見えなくさせるんだから。

もうすぐ、落ちるんだからさ。




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「…松っつん怖え。」




"邪魔するならお前でも容赦しないから。"







回ったのは甘い毒。

異常な執着と独占欲で出来た歪んだ愛情。




甘いなんて、当たり前。





さぁ、仕上げに取りかかろう。





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