64話 今を掴め ページ23
裕翔side
そう、あれは事件が起こったところを調べるために約束の場所でAと大ちゃんを待っていた時だった。
涼介「なぁ、お前の得意呪文ってなんだ?」
裕翔「縄の呪文だけど...」
涼介「やっぱり!あの呪文もっと高みを目指せると思うんだよね。」
裕翔「へっ!?」
涼介「呪文のレベルが高かったから。それにいつかきっと自分たちよりまほうに長けているやつらと戦わないと行けない時が来ると思うんだ。その時それを使えたら秘密兵器みたいでかっこよくね?裕翔なら出来ると思うんだ!」
裕翔「ゆ、裕翔?」
涼介「うん。裕翔!」
裕翔「...アドバイスありがとう!やま!」
こうして2人で笑いあった。初めてやまと友達になれた日。
スカイウィーケンの王子、っていう上辺だけじゃなくて山田涼介を知れた日。あの日から俺は縄の呪文を必死に練習したんだ。
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裕翔「でもまさか、この呪文で、やまの姿をしたやつを捕まえるなんて思ってもいなかったな〜」
涼介「に、偽物って」
やまの姿をしたこいつは、縄が体を締め付けていてそこが痛むのか大きな目を少し潤めて俺を見つめていた。
最初はやまにしか見えなかったのに今じゃ全くやまには見えない。
裕翔「気づいてないとでも思ったの?仲間は笑顔や勇気、力をくれるんだ。だから、お前は俺を倒すことなんて出来ないんだよ。今すぐここから消えてくれ。」
涼介「クッ」
偽物は悔しそうに顔を歪めながら静かに煙のように消えていった。
俺は静かに仲間の元へ歩き出した。
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作者名:優 | 作成日時:2019年3月3日 9時