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捕まって、囚われて ページ14

パーン、パーン。
花火が廊下で火を吹く。
鮮やかな光が怪物の目を回す。
シ「ノーマル、出るなら今のうちだ。」
シュウは入ってきた時とは別の入り口を開けてノーマルの手を引く。
ホ「それにしても、あの怪生物、燃やし甲斐がありそうですね、人間もよく燃えますし、あれもよく燃えてくれそうです。」
シ「それは後にしてくれ!」
怪物がシュウを飲み込もうと肉を伸ばす。
だが、シュウは鮮やかなほどにマッチに火をつけて、ダイナマイトに火を灯し、流れ作業のようにスムーズに投げ入れた。
まるで、そうするのが当たり前のように。気軽に。
怪物がそれを取り入れた途端、怪物が内側から裂けた。
焼けこげた肉がピクピクと動いていて悲惨な光景が広がる。
貴「…や、やりましたかね…?」
シ「ノーマルッ!まだそれは生きてる(・・・・)!」
貴「…え。」
手を伸ばして逃がそうとするシュウを遮るように、肉壁がノーマルを覆いこむ。
貴「ひ………い、や…。」
悲鳴は言葉にならず、ただ、ずぷんとノーマルを飲み込んだ。
肉壁は見た目よりも分厚くて、硬い、と思ったら柔らかい。
いつのまにか足が地面から離れて、体が勝手にぐちゃぐちゃと動かされる。
お腹が圧迫されて息ができない。
手も、足も動かない。指先の一つだって動かない。
ただ肉壁が動きを封じてくる。
貴「ふ………んぶ……(い、息が…。)」
息が苦しくなってきたところで、肉壁が急に広くなった。
貴「う…ここ、この怪物のどのあたりだろう。まさか…胃だったりしない…よね?」
出られないかと肉壁を押してみる。
触った感じは弾力があり、かなり柔らかい。足で踏んでも沈みこそしないが、出られそうにはない。
と、ここで僕は目が合った。
怪物の目が、体内にすら合った。
割れ目の何個かが開き、ぎょろりとこっちを見る。
貴「…ッ。」
後退りするも、逃げ場なんてなかった。
死ぬのかな、なんて安易なことを考えていたら、その目と目が合うと、頭がぼーっとしてきた。
酸欠だろうか。それとも薄い本によくある目を合わせたらそういう感じになってしまうお約束のアレだろうか。
どちらにせよ良いことではない。シュウはどうなっただろうか。
逃げ切れたのだろうか。責任を感じなければ良いのだけど。
貴「死にたく…ないよ…。」
本音が溢れた。
肉壁から何かの液体が滴ってくる。
気づけばすでに腰まで溜まっていた。
下半身がヒリヒリする。痛い。火傷をしたかのように痛い。
食べられている(・・・・・・・)のだと気づくのは早かった。





生物科のイカれた研究者→←怪生物


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作者名:ハウト | 作成日時:2021年1月21日 18時

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