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怪生物 ページ13

ホ「おやぁ…逃げ遅れましたね。」
教室の外をホーティが見ながらそう呟く。
貴「逃げ遅れたって?」
ホ「ん。」
ホーティが指を刺した方角を向く。
ぎょろりとした目玉がたくさんついた肉塊がこちらを見ている。
窓ガラスにべったりと肉が張り付き、複数の目玉がぎょろぎょろと忙しなく動く。
貴「ヒィッ!!?な、ななななななんなんですかあれっ!」
シ「生物科か化学科か、どちらかの実験してた怪生物が逃げ出したみたいだね。」
淡々と興味深そうにシュウは窓の向こうの生物を観察し始めた。
ホ「どうしますか?逃げるにしても、窓から逃げるのはあまりお勧めできません。」
貴「どうしてっ!?」
ホ「罠が多いからです。トラバサミが窓の外に5〜6個仕掛けられてますし、迂闊に出れば足を大怪我します。」
貴「…ちなみにあれに捕まったらどうなるの?」
恐る恐るそう聞けばホーティは首を振った。
ホ「分かりません。性を搾り取られるのか、丸呑みされてぐちゃぐちゃにされるのか…はたまた窒息するまでもみくちゃにされるかもしれませんねぇ。」
シ「くっそ、こんな時じゃなかったら見学してたいよ全く。」
貴「シュウ!?」
シ「冗談ですー。」
冗談には聞こえなかった。
シ「ホーティ、今手持ち何がある。」
ホ「花火が6本とダイナマイト2本、マッチ1箱、小麦粉半分ですね。在庫切れに近いです。」
シ「酒持ってないのか今。」
ホ「この前の旧校舎でばら撒きましたから。ネズミ花火で撹乱します?」
シ「あの目玉全部ひっくり返ったらな。」
ホ「あー…目玉だけ全部切ったり、抜き取ったりとかって…。」
シ「手が足りない。」
ホ「うーん…小麦粉ばら撒いて粉塵爆発。」
シ「被害が甚大。」
貴「あの怪物の気を逸らす方法とかないですか?」
シ「うーん…花火で気を逸らした後、怪物を外まで誘導して誘き出した後、食おうとしてきたところをダイナマイト投げ入れて爆散とかどう。」
ホ「その誘き出すのは誰がするんです?」
シ「言い出しっぺは僕、だからダイナマイト2本ちょうだい。花火に火をつけ終えた後でマッチも。」
ホ「仕方ないですねぇ。ノーマル君、窓、開けてくださいな。」
じゅぼっ、っと慣れた手つきでマッチに火をつけたホーティはこれまた手慣れた手つきで花火に火をつけた。
ホ「はーやーくー!」
慌てて窓を開ければ怪物がずるりと肉を伸ばし、床に爛れた肉をべたりと張り付きそのあまりの悍ましさに身悶えする。
ホ「入ってこないでくださいな。」
2つのネズミ花火と4つのロケット花火が廊下で派手に爆発する。




捕まって、囚われて→←穏やかな放火魔


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作者名:ハウト | 作成日時:2021年1月21日 18時

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