Unknownに来たPlayerは己の罪を贖罪する

赤いボックスは元はゾーンを渡るための道 ページ10

ザ「合ってたみたいだな。」
貴「みたいだね。」
ザ「進んでみるか。」
貴「…うん。」
部屋から奥へと進み、少し開けたエリアが現れる。
謎の力により重力に逆らいながら浮かび続ける赤いボックスが目の前に見える。
パ「ああ、もしこれが、プレイヤーを癒す大変に役立つ道具でなかったら…もちろん君はこの赤い色をしたものを覚えているね？この浮遊している物体のことを、正確に。君のHPとCPを完全に回復し、それまでの道筋を記録し、君を"虚無"へと転送してくれたものだよ。残念なことに、ザッカリー、不幸な出来事のせいで"転送"の機能は失われてしまっている。けれども、医療的機能はまだ働いているし、"転送"するための力は既に持っているだろう？」
ジャッジに言われてそういえばと気づく。
ザッカリーは大体バッターより先に次のエリアへ移動する先回りが得意だったが、そもそもそれはゾーンを超える力を持っていなければできない話だ。カードなどがない限りは。
ザ「ああ、その為の道具を持ってる。おっと！その1、アイテムメニューで"オルゴール"を選ぶと"転送"できるからな。」
言われたとうり、電子パネルを展開し、ポチポチと実際にキーボードに打つように入力。
最後のキーを押す直前で止める。
パ「翼を広げろ、我が親愛なる同朋よ。一刻も早くここを離れて、次のゾーンへ向かうのだ。ためらうな！唯一の敵は、君を捕らえんとする恐怖だけだ。」
ザ「前にも聞いたようなセリフだな、友よ…。」
パ「ああ！それはそうと、これを持って生きたまえ。私の認識が正しければ、これは君が破壊する必要のあるものだ。」
ジャッジからしし座のカードを受け取り、鞄へしまい込んだ。破壊するなら一括にしたいところだ。
パ「それと、ザッカリー…何故君は猫の面をかぶっているのかね？君はどうみたって猫ではないというのに。」
ザ「世界が"浄化"された時、俺のアイテム商人としての人生は終わったのさ。…だから、新しい顔を俺自身に与えることにしたんだ。ゲームの主人公は可愛い動物の方が好かれるって聞いたもんでね、それなら猫しかないだろ？」
世界が浄化された時、その部分の時物凄く視線を感じた。
パ「ハハハ。…変わった男だ、君は実に変わった男だよ、君の目的が達成することを祈っているよ、ザッカリー、君のことはよく知っている、失敗するのが苦手だということもね、きっとすぐにでも私は私を取り戻すだろう、君が救いあげてくれた私を、覚えておいてくれたまえ、宇宙というものは、奇妙な法則で動いているものだ、親愛なる友よ。」





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