Unknownに来たPlayerは己の罪を贖罪する

謎解きと奇妙な三人のぼく ページ8

貴「階段…。」
降りていくと見慣れた場所に出た。
ザ「とても奇妙だ。」
ザッカリーが壁の文字を見てそういった。
ザッカリーはその後すぐそばにいたパブロに話しかけていた。
僕？僕はブロック見てるよ。
パ「ああ、そうとも。ここを通りぬけるためには、君の知的器官を用いる必要がある。」
ひょいっとザッカリーの後ろからパブロを見た。
パ「分かるだろう？君の陳腐な頭蓋の中で、だらしなく液体に浸かっている物体だよ。ここに浮かんだブロックたちと壁に描かれた記号たちは、何らかの形で対応するのではないかな。」
壁には、
13
24
と描かれている。
ザ「っていってもね〜、その1は何か分かる？この記号。」
貴「左上左下右上右下。」
ザ「？」
貴「ブロック、押す順。」
ザ「なるほど。」
ぽちぽちと押して回ると、階段を邪魔していたブロックは謎の力により消滅した。
パブロは真っ先に降りたよ。
貴「降りる？」
ザ「ここには何もなさそうだし、そうするか。」
貴「うん。【ギィッ！？】！？」
聞いたこともない自分の声が聞こえた。
僕ではない、僕の声。苦しみに満ちた、期待の声。
貴「…誰？」
貴？1『僕は君であって君ではない。』
貴？2『僕は君であり、やはり君ではないのだ。四番目。』
貴「君たちは僕に何を言いたいの？」
貴？3『気をつけろ。この世界ではプレイヤーですら死ぬ可能性がある。僕らは…。』
三人の僕は同時に言う。
【既に死んだ君である。】
貴「…ッ。」
繰り返した？それとも…ルート分岐か…？
ザ「来ないのかい？」
先に下へと向かったザッカリーに呼ばれる。
頭を一度振って思考を振り払い、下へと階段を降りた。
一回分下に降りると、本家にもあった全く同じパズルが起動していた。
ザ「その1、あんたには見慣れた光景だろう？順番を指示してくれ。」
壁を一度見た後、告げる。
貴「左上、その右隣、その真下、右下、左上の右隣、そのまた右隣の順番だね。」
ザ「手慣れてるな。もしかしてRTAとか言うくだらない速さ勝負でもしてたかい？」
貴「いいや、僕はきっと頭の回転が早いだけ。」
貴？1『そう、僕は頭の回転が早かった。』
貴？2『だが、時として行った大胆な行為は愚かだった。』
貴？3『機械に詳しくもないくせに、配電を弄るな。』
貴？1『平和主義。それでいいんだよ。』
貴？2『嫌ってはいけない。因果応報を喰らうよ。』
貴？3『怠惰を行うな、言いなりになるな、何がなんでも死に物狂いで諦めるな。』
【そうすればきっと、僕らが到達出来なかったハッピーエンドを迎えるはずだから。】
三人の僕は悲しげに笑うのだ。





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