Unknownに来たPlayerは己の罪を贖罪する

戦いは終わり、敵意は消失する ページ39

ザ「…。」
痛む体を無理やり動かして、話しだす。
貴「聞いてよ、ザッカリー。どうしてセネカを信用できる？考えなしにｼﾞ殺するより、いい方法があるはずだろう。」
ザ「…アンタの言う通りだ。いい考えじゃあなかったな。俺はアンタに怒りを抱いてた。しっかり考えることをしていなかった。もうそこに入ろうなんて考えないよ。」
貴「…よかった。」
あんな死ぬより辛い生き地獄にザッカリーまで体験させるなんて…考えたくもない。
ザ「一度でも、そんなことを考えてたなんて…。」
貴「大丈夫さ、もう過ぎたことだ。」
僕は笑った、本気の笑みなんて、10年ぶりくらい久しぶりだった。
ザ「…さっき言ったこと、全部謝るよ。あんなこと言うつもりなんて、全くなかった。アンタを嫌ってなんかない。決して嫌いになんかならないよ。」
彼は酷く動揺しているようだ。顔は相変わらず猫の面で見えないけど。
貴「大丈夫さ。僕は君がとても優しい人だってちゃんと知ってるからさ。」
ジ「全てうまく収まったのかね？」
部屋から追い出されたジャッジがおそらく金属音が聞こえなくなったので様子を見にきたようだ。
ザ「あぁ、たった今ね。…頼む。この邪悪なキツネの化身を遠くに追いやってくれ。これ以上は耐えられないんだ。」
ジャッジが弱ったセネカを閉ざされたゾーンとやらに送り飛ばした。
ザッカリーはようやく安心したように、
ザ「ありがとう。」
と言った。部屋の隅で心配そうに見守っていたザックが走ってくる。
ザッ「その1！だいじょうぶ？いたくない？」
貴「平気とは言い難いかな。左肩にスキルが直接当たってるぐらいだからね…。まぁ、ザックよりは痛いよ。」
なんかもう今にも泣きそうにされるからまた傷を悪化させないためにも右手で撫でておいた。
ザ「それについても後でちゃんと教えてくれよ？その1。」
貴「あー…うん。分かってる。ちゃんと話すよ。」
外で待たせっぱなしのバッターを回収する。回収する際に、先に部屋に入ったザッカリーとその1がズタボロの血まみれで出てきたのを見て半狂乱になりそうになったのはマジで悪いと思ってる。
貴「…あ。」
ジ「どうかしたのかね？その1。」
貴「今ってセネカの支配はもうないんだよね？」
ザ「あー…だろうな。だとしてそれがどうかしたのか？」
貴「…オブザーバー、助けられるかも。」
バ「で、できるのか…？！」
貴「可能性だけどね。まぁやって損はないでしょ。それにバッター言ってただろ？空間が閉じて幻影に閉じ込められたって…なら、また開けばいい。」




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