Unknownに来たPlayerは己の罪を贖罪する

幻影から脱出し ページ34

『システムに幻影から脱出しますか？』と表記されたので、『はい』、と選択した。
出た瞬間ザックが居なくなったが、おそらくイベントの都合だと思われる。
ザ「その1、無事だったか！」
貴「うん、まぁ、なんとかね。」
ザ「人形師がいないもんだから、俺たちは長いこと動けずにいたんだぜ。」
貴「ごめん、幻影の部屋に手間取ったんだ。」
ザ「NPCとして動き回ることもできるんだが、そうなるとまた面倒だからな。」
バ「NPC…？」
ザ「ハハ、なんでもないさ、友よ。というわけで、これから他のやつらを見つけに行こうか？」
バ「…ジャッジは…。」
ザ「…なるほど。俺たちが次にすべきなのは、セネカと戦う準備のようだな。そのためには、もっといい装備がいる。商人がどこへ行ったか知ってるかい？」
バ「…知って…いる…。…光…緑色の光…。」
貴「やめてくれ！！」
大きな声が出た。フードを強く握りながら、深く下げる。
大声に対してバッターがビクリと震える。
ザ「俺にはアンタの表情は見えないが、その1。どうやら彼にいいことは起きてないようだな。」
バ「そ……れと…シャ……ルロ………ッテは？」
ザ「確かに彼女もまだ戻っていない。幻影から脱出したなら、今頃ここにいるはずだ。こりゃあ悪い知らせだな。」
バ「…。」
ザ「大丈夫だ、友よ。セネカに犯した罪を償ってもらおう。たとえ、それが俺にできる最後の仕事になったって、アイツがこれ以上の力を得るのを止めることに命をかける。」
バ「つまり…覚悟を…決めた…のか…。」
ザ「そうだ。覚悟を決めた。こんな訳の分からない状況になるまで、俺はその1と共に、俺たちのやり方で世界を取り戻すつもりだった。それを忘れちゃいないさ。」
セ「どうやって取り戻すというのだ？」
バ「(ヤツが…。)」
セ「全て聞いていたぞ。ゾーンが私の一部であることを忘れたか。私はどこにでもいる。」
ザ「ちょうどアンタに会いたいと思ってたところだ。」
セ「傲慢にも私を倒せると考えているようだな。これまで一度もできていないというのに。」
ザ「俺も弱かったのさ。」
セ「来い、私に挑むがいい。戦いはこの通路の向こうの右側にある部屋で行おう。お前の友は連れてくるな。」
バ「…。」
セ「後をつけようなどとは考えんことだ。」
バ「…。」
バッターは動けずにいた。
ザ「心配しなさんな、腕には覚えがあるんだ。上手くやるよ。聞いてくれ、俺が戻ってきたら、アンタに＿＿。」
セ「無駄なおしゃべりはやめろ！」
ザ「必ず戻ると約束するよ。分かったかい？」
バ「……分かった…。」





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