KZで昔話！《短編(？)集》

桃太郎2 ページ2

｢頑張ってね！｣
｢気を付けてな。｣

若武は2人に見送られて、出掛けていきました。

｢おぉし！思いっきりやっつけて目立ってやるぞ！｣

歩いていると、おずおずと木の影から男の子が出て来ました。

｢あ、あの…お腹空いてしまって。何か持ってませんか…？｣

｢持ってるぞ！きびだんご！やるよ。｣

若武がきびだんごを渡すと、男の子はそれをほうばりました。

｢ありがとう！僕、小塚って言います！｣
｢俺は若武だ。これから鬼退治に行くんだ！｣

若武はふんぞり返って小塚に言いました。

｢なら、お礼に一緒に行かせてください。
僕、薬とか詳しいので、何かお役に立つはずです。｣

若武は良いぜ、と言って2人で歩き始めました。

｢ねぇ、そこのお二人さん。
きびだんごの匂いがするね！美味しそう！｣

話し掛けてきたのは、金髪の綺麗な男の子でした。

｢じゃあやるよ。｣
｢良いの？ありがとう！｣

その子は、翼と言いました。

｢俺、美門翼。鼻がいいんだ。｣
｢俺は若武！一緒に鬼退治行こーぜ！｣

翼は少し考えてから、うんと言って再び歩き出しました。

｢君たち、お出掛け？｣

声が聞こえた方を振り返ると、不思議な雰囲気の男の子が立っていました。

｢ううん、鬼退治に行くんだよ。｣

小塚の言葉に男の子は少し笑って、そうなんだ、と答えました。

｢お前、強そうだな。一緒に行かね？｣

男の子は少し困ったような顔になりましたが、無理をしないならね、と言いました。

｢もちろん！無理しねーぜ。俺は若武。お前は？｣
｢黒木。それなら良いよ。ところで、なんで鬼退治？｣

若武は鼻を鳴らして答えました。

｢目立ちたいからだ！｣
｢若武面白いな。｣
｢そうか？かっこいいの方が似合ってると思うけど？｣

黒木は、自分で言うか…？と呟きながら歩き出しました。

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