銀の薔薇

歪ﾐｶﾞﾖﾝ ページ5

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『よいしょ、……イレブン、準備できた？』


「うん、出来たよ」


『…………気を付けてね、魔物が出てきても怯んじゃダメよ、』


「うん、大丈夫。」



今日、イレブンとエマが行う儀式は、成人の儀式。

昔はとても小さくて、私の後ろをついて回ってきていた子達が、

もう、成人するとなると感動で涙が出てくる。



『…、行ってらっしゃい』


「行ってきます、……！」



可愛い弟を送り出した後は、もう、何もする事は無い。

家事はすでに終わってあって母さんはイレブン達を近くで見守りに行ってる。



『家事は終わった、掃除は終わった、…………暇です、暇。』



そう、今、私はとても暇なのだ。

イレブン達が儀式を終わらせるまで、まだ時間はかかる。

お昼寝でもしようか、と考え自分の寝床まで向かう。

イレブンとエマが無事に帰ってくる事を願いながら、私の瞼は落ちていった。









「起き__、姉さん、起きて！」


『ｯ、イレブン……おか、えり、』


「姉さん、聞いて！

母さんから話したい事があるんだって！！」


『うん、何があったの、？』


「あのね、魔物に襲われかけてね、

僕の手の痣が光って、魔物が弱ったんだよ、！」




イレブンから聞かされたのは、信じられない話だった。

嘘だと思った。だけど、この子が嘘をつかないのは分かりきっている事だった、




『分かった、母さんの話聞きに行こうか。』


「うん！」







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