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『茅ヶ崎さ…』
「なにしてんの、アンタら。」
冷ややかな目でこちらを見つめるヘッドホンを肩にかけた青年。
「いや、真澄、これは違くて、」
「どっからどうみても強制わいせつ。警察…」
「マジで勘弁して下さいお願いします。」
勢いの良い土下座をする茅ヶ崎さんと、それをスマホ片手に見下す真澄くん。
土下座って中々見る機会ないから貴重だな。
『えっと、私から言い出した事なので強制わいせつでは無いですよ。紛らわしい事してすみません。』
「…アンタってドM?』
『断じて違います。』
何故ここの住人はすぐドM認定してくるんだ。
むしろ私は痛いのは得意では無い。
「まあどっちでもいいけど。とりあえずアンタは左京のとこ行けば。」
『あ、はい。』
真澄くんはヘッドホンを装着し、気だるそうに部屋へと帰って行った。
なんの音楽を聞いているのだろうか。
『という訳で古市さんの所まで案内お願いします。茅ヶ崎さん。』
「なんで俺が…」
『勝手に血を吸ったこと古市さんにバラしますよ。』
「…仰せのままに。」
今度からは十字架とにんにくを装備しておくことにしよう。
いつでも反撃できるようにしておかなくては。
『あ、そういえば両方とも効かないんだっけ。』
「今絶対に悪い事考えてたな。」
見事に見破られてしまったので、その言葉は聞こえなかった振りをした。
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作者名:りおた。 | 作成日時:2020年1月31日 18時