現代適応型吸血鬼【A3!】 (ページ12)

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『別にいいですよ。』

「いや、いいのかよ。」

自分から吸わせろと言ったくせになんだこの反応は。
しかし、一方的にあげるだけでは少し勿体ない。

『その代わり、今夜摂津さんのベッド貸してください。』

「は？なんで。」

『古市さんに誰の部屋で寝ればいいか聞きそびれちゃったんですよ。この夜中に聞きに行くのもあれですし。』

もう疲れたので歩きたくない、という理由も6割くらいあるが。

「おぉ、ベッドくらい全然いいぜ。じゃあ血貰うわ。」

そういうと摂津さんは私の鎖骨付近に牙を押し当て、

『っ、いﾞった！！』

「ん…初めはそんなもんだろ。あと2回くらい吸われれば慣れる慣れる。もうちょい…」

『っ…』

「ふぅ…ごちそーさま。」

なんだかさっきよりも活き活きした顔をしていて、少し癪に障る。
血以外の物まで吸われた気分だ。

『吸われてる側を気持ちよくさせる能力とかないんですか？ほら、少女漫画によくあるやつ。』

「あるけど、痛がってる顔の方がいいだろ。」

『…もう一生貴方には吸わせません。』

「次はちゃんとするって。多分。」

どこまでも性格の歪んだ人だ。
まあ顔が良いから許されるのだろうけど。

『もういいです。寝ます。』

「おぉ、おやすみー。」

『しれっと同じベッドに入んないでください！』

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