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辰哉のお風呂タイムは
だいたいいつも30分ぐらいで
かすかにするシャワーの音を聞きながら
ベットの上で少しの間まったり過ごす
寝る時は必ず、壁側が私
同棲しはじめた頃、辰哉がそう決めた
「Aはあっちね、壁側」
「…なんで?」
「やだ?」
「別にこだわりはないけど」
「んじゃ、決まり〜」
はいはいはい、行って行ってと
背中をポンポンされて
促されるまま壁側で横になる
満足そうに目を細めて微笑む辰哉と目が合うと
私の頭を優しく撫でて同じ布団に潜り込んだ
…何で私が壁側か
その理由を辰哉は言ったことがないけれど
私は知っている
その翌朝
ウチでは朝聞くことのないお風呂のアナウンスで
私は辰哉より早く目を覚ました
ふと隣を見ると
昨夜
仰向けで布団に入っていたはずの辰哉が
うつ伏せになって今にも落ちそうになっていた
ベットからはみ出た片手片足と
ぴょこっとはねた後頭部の寝癖
枕に押し潰されてくしゃっとなったほっぺに
半開きの口
それらがあまりにもかわいくて
しばらく見とれていたら
“んぁー”と声をあげて動き出したので
思わず目を閉じた
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作者名:Hoshi | 作成日時:2022年3月15日 17時