53話 ページ6
先輩から了承を得て、早速練習しに行こうとすると
「あ、でもAさんは残ってくれないかな」
と呼び止められた。それに嫌な予感がする
『……どうかしましたか？』
「悪いけどAさんにはステージの準備を手伝ってほしいんだ」
『準備ですか……でも、前もって文化祭委員の係を決める際に対抗戦に出るのでステージの準備はできないとお伝えしましたよね。その代わりに本番前にできる雑用は全てやると』
「言ってたな。現にやってもらってたし」
「(こいつそんなこと言ってたのか……というか練習やクラス以外にも委員会の方をやってたのかよ)」
わかっていての発言か。なんとなくこの人が言おうとしていることはわかったができればこの先の言葉はあったていてほしくない。
『……では、どうしてですか』
「今いったように先生方が忙しくしててな。準備に手が足りてないんだ…会場の方はあらかたできてはいるけど照明や音響の方がまだできてなくてな確かAさんそういうの得意だったよな。だからやってほしいんだけど」
何がやってほしいだ。わかってるよなやるよなと言っているようなニュアンスに空気感を出すのは本当にやめてほしい。いつもならいいと言ってたかもしれないけど、今回は話が違う。
今はそんなことしている暇も余裕だってない。
だというのに、すぐに否定の言葉が出てこなかった。「できない」って「無理です」っていうことができないでいた。
これまで断るってことをしてこなかったツケが今になって回ってくるだなんて……本当に嫌になってくる……
『(言わないと……無理だって……)わ、私は』
「やってくれるよな」
『っ……』
違う……私はただ断りたいだけだというのになのに言葉は声は出てくれない。ただ口を開けては閉じてを繰り返すだけ……
そんな自分がなんか馬鹿馬鹿しくなってきて早く終わらせればいいかという気持ちになった。もういいや、いつものことだって……そう内心思いながら彼が望む答えを口にする
『……わかっ「先輩すみませんお断りさせていただきます」し、東雲くん……』
投げやりに引き受けようとしていた私に彼が……東雲くんが間に入ってそれを断ってくれた……
それも私の前に立って先輩から見えないようにして私が言いたかったことを代わりに伝えてくれた。
予想もしていなかったことで何もできずに本当にただ彼の背中を見つめることしかできないでいる。
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彼岸(プロフ) - みそさん» ありがとうございます！！ここ最近すごい寒いですもんね気をつけておかなければ！みそさんも体には気をつけてください (1月15日 21時) (
レス) id: e50e6542f9 (このIDを非表示/違反報告)
みそ - 話めっちゃ好きです！寒いので風邪引かないように頑張ってください！ (1月13日 19時) (レス) @page1 id: 10491548f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彼岸 | 作成日時：2024年1月12日 19時
