50話 ページ3
『＿＿類』
「なにかな」
『それどこのクラス』
「1ーEだよ」
『……わかった』
「ちょっと待って！Aまさか今の状態でステージに立つつもりなの！」
瑞希の焦った声に少し既視感を感じながら瑞希の方を見つめる。溢れそうな感情を抑えながら落ち着いて今思っている事をちゃんと伝える。
『ごめん瑞希。これだけは譲れない。Rain Skyは私にとって大切なものだから……それは瑞希もわかってくれてると思う』
「……本当に大丈夫なの」
『大丈夫』
「いや即答しないでよね！今回の件まだ僕怒ってるんだから！」
『……言わなかったのは、謝る』
「それだけ」
『……ごめん』
「よし！これで何もなく終わったら今回は許してあげるから。ちゃんと無事に勝ってきてよね！」
その瑞希の言葉に頷き返し私は隣にいる彼に向き直る。さっきまで支えてくれていた東雲君。
今さっき取り乱した姿を見たはずの彼は驚いたような顔も戸惑った顔すらもしていなかった。ただひたすらに真剣な顔で私の方を見つめている。これから言おうとしている言葉を彼はわかっているからだろう。
私はその目をしっかりと見つめ返して
『自分勝手でごめん。面倒だと思うけど、一緒に出て欲しい』
「……」
はっきりと言うが彼から返事は返ってこなかった。ピリついた空気が流れ出ていたが、それでも目を逸らさずにそのまま見つめ続けた。
すると少しして東雲君からため息が溢れた。
「俺も暁山と同じで出んのは反対だ。ただ拉致られただけならまだしも、階段から落ちたんだぞ。頭打ってたっておかしくないんだ……だっていうのに……」
２度目のため息をつきながら項垂れるように頭を下げた。数秒のうちに顔を上げるとさっきの見定めるような少し冷たくて怖い顔とは違い、いつもの練習中に見せる真っ直ぐでどこか暖かいような表情に変わっていた。
「俺にはお前に何があるかなんて知らねえ。なんでRain Skyにそこまでこだわるのかも……けどな＿＿これだけはわかるぜ。今のお前の目が本気だってことぐらいは＿＿」
『……』
「……だから手伝ってやる…けど＿＿本当にいいんだな」
その問いに無言で頷いた。しっかりと目を逸らさずに＿＿
それを見て満足そうに笑みを浮かべる彼。そして……
「いい顔すんじゃねえか」
と言って手を差し伸べてくれた。
「なら一緒にやるぞ」
『うん』
.
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彼岸(プロフ) - みそさん» ありがとうございます！！ここ最近すごい寒いですもんね気をつけておかなければ！みそさんも体には気をつけてください (1月15日 21時) (
レス) id: e50e6542f9 (このIDを非表示/違反報告)
みそ - 話めっちゃ好きです！寒いので風邪引かないように頑張ってください！ (1月13日 19時) (レス) @page1 id: 10491548f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彼岸 | 作成日時：2024年1月12日 19時
