日常 ページ6
「あのさぁ、言ったよね大野くん」
ベットに寝転がってゲームをしている大野くんを上から見下ろす
「へぇー、なにを」
ピコピコと雑音を鳴らすゲーム機を取り上げた
「掃除と洗濯！！やっとけって言ったでしょ！！」
大野くんはうるさそうに耳を塞いだ
「あー、わすれてた」
「いや忘れてないよね！？もうこれ何回目だと思ってんの！？」
「うるっさいなぁ」
「あのねぇ、どの分際でここにいさせてもらってるかわかってる？せめて、家事くらいしなさいよ。外にほっぽり出すわよほんとに」
本当はバイトをしてもらいたいけど、履歴書が作れなくて、そもそも危険があるから無理で
だから、バイトの代わりに家事をしてもらおうと思ったのに、このザマ
「わかったよ、やればいいんでしょ、やれば」
ゆっくりカタツムリが動くようにベットから起き上がった
「その態度がムカつく…！」
ギリギリと歯を食いしばっている私を見て、大野くんは吹き出し笑った
「なに笑ってんの？」
腕を組んで精一杯大野くんを睨む
「いや、新鮮だなって思って」
「はぁ？しんせん？」
どこが？
「20年前で俺にそんな態度する女いなかったから」
モテモテだったとでも言いたいわけ？こいつ
余計腹立つ……
いや待てよ、忘れかけていたけど、こいつはアイドルだった
「みんな笑って許してくれたのに…」
とぼとぼと掃除機を取りに行く大野くん
「はぁ…どうりでこうなるんだわ。みんなあんたを甘やかしすぎなのよ」
でも、少しわかるかも
なんでもしてあげたくなっちゃうとこ
なんか母性本能くすぐられるってやつ？
いーよいーよーって言ってしまいそうになる
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作者名：ひなな | 作成日時：2019年8月30日 4時
