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後ろ姿 ページ30
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ドサドサドサッ
机には大量の本が散らばっている
表紙には、異世界だとか未来だとか、そんな類の言葉が並べられていた
「なにこれ」
「テストも終わったことだし、帰る方法見つけないとね！」
腕まくりをして、変に気合が入っているA
なんで今さら……
もしかしたら忘れてねえかなって思ったのに…
パラパラと本のページをめくり、Aはうーんと頭を唸らせる
俺は、黙って見ていた
「ちょっと、さとしも手伝ってよ」
「こんなの後でいいから、どっか遊びに行こうよ」
少しでも気を紛らわせたかった俺は、Aが読んでいる本を取り上げた
「ああっ、読んでる途中なのに！！」
本を上にあげて取れないようにすると、Aも本を取りに手を伸ばしてきた
必然的に、顔と顔が近くなった
Aは、わかりやすいようにすぐさま俺から遠ざかった
そっと上にあげていた本を、テーブルに置いた
Aは一言も発さないまま
ねえ、こっち向いてよ
後ろ向いてたら、どんな顔してるかわかんないよ
夏休みに入り、カレンダーは8月に突入していた
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作者名：ひなな | 作成日時：2019年8月30日 4時
