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彼氏？ ページ13
「あー！こっちこっち！」
「ありがとね、席とってくれて」
大学の昼休み、食堂で友達と食べるのが日課だ
「てかさー、彼氏出来たなら言ってよ！！」
「ブーッ！！」
友達の何気ない一言で飲んでいたお茶を吹き出した
「は、え？」
ゴシゴシと口を拭き、間抜けな声を出す
「もー、なにやってんのー？」
「か、彼氏ってなんのこと？」
「この前歩いてるとこ見たよ、2人で。でもAの彼氏、誰かに似てたんだよねー、誰だっけ」
ま、ま、まさか見られていたなんて…
なんてこと……しかも似てるって…
お願い、思い出さないで…！
友達を見つめながら、私は手に汗握る
「あれ？二人とも久しぶりー！」
「うわぁぁぁ！！」
タイミングの良さに、椅子から転げ落ちそうになるほど驚いてしまった
話しかけてきたのは、学科は違うけれど学部が同じ同級生だった
「え、なに？びっくりしたー。ってかここびしょびしょじゃん！どうしたの！？」
「あは、あはは、、」
この時の私は口が片方にひん曲がって笑っていたに違いない
やはりバレるのは時間の問題か…
何としてでも大野くんを過去に帰さなければ…！！
という謎の使命感に襲われた
「なんか雨降りそうだね」
「うそー、あたし傘もってきてない」
「天気予報確認しなよー」
私も、傘もってきてないや…
梅雨真っ盛りの曇天をガラス越しに見つめた
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作者名：ひなな | 作成日時：2019年8月30日 4時
