クリスマス・イブ【孤爪研磨】 (ページ6)

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◯。5 ページ6

◯。

放課後からずっと
頭から離れなくって

とうとう来てしまった
イルミネーション

なんか虚しいし、悔しいし
なんだろ
本当自分がよく分かんない

水月と来たかったななんて
想いを募らせる
次々と水月の笑顔が浮かんでくるのは
おれが浮かれてただけだと
勝手に思考を放棄した

“そのトビラをくぐって
　1番最初に目があった人が
　あなたの運命の人です！”

17年間も続いた片思い、
でも正直区切りを
付けたほうがいいと思った

頑張って切り替えよ

孤「ふーん、」

一人で来てもキラキラと
眩しく輝いている
この一つ一つの光はなんの為に
光ってんだろうとふと考えた

でもそんなの考えていても
纏まらない気がして諦めた

一人で回るハメになるなら
奏でも引き止めとけば良かった
と今更後悔する

キラキラと輝くイルミネーションの中
目を細め、ニコニコと満面の笑みを浮かべる
水月をいつの間にか思い浮かべていて
慌てて首を振る

切り替えないと

暫く歩いていたら
「恋のトビラ」を見つける
意外と細工は凝っていてびっくりした

あっ、先客居るじゃん
これ開いたら、「運命の人」が…

そう思う頃には時は遅く
トビラがゆっくりと開いた

出てきたのは
何故か水月でおれは目をまんまるとさせた

『ぷ、あっはは
　研磨が運命の人に
　なっちゃったじゃん

　うけるーー』

孤「はっえ？」

おれはまだ
びっくりしたまま固まっていた

状況が整理できた俺は
ため息をついた

孤「はぁ…
　何でこんなところにいるの

　あと、笑い過ぎ」

『あー、
　ちょっと音々ちゃんたちの
　空気にあてられたっていうか

　夢見なことしたくなったっていうか』

孤「…誘ってけれたら良かったじゃん」

『やだよ、それじゃあ
　研磨のこと好きみたいじゃん」』

「はー笑った」と涙をためていた
目を拭き取りながらまだ笑ってる

さっきの発言に妙にムッときたおれは
勇気を出して口を開く