甘いあまい、飴のあめ【角名倫太郎】 (ページ3)

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昼休みのこと。
お弁当をせっかく作って来たのに忘れて、購買部まで走っていた。もう、殆ど品切れでピザパンしか残っていなかったのでそれを買った。
お会計をして、教室に戻ろうとするとほっぺがヒヤリと冷たくなる。
驚きざまに振り返ると、日葵がいた。

『ふへへ〜
　驚いた？』

角「それなりには」

『懐かしいやつを見つけたから
　お裾分けね、はーい』

渡されたのは牛乳。しかもパックのやつじゃ無くて、瓶タイプ。
小学生以来で「ほぉ」と口から漏れる。

『それで〜ね
　ほい、これどーぞー』

また渡されたのは、3つのおにぎり。しかも、いかにも手作りって感じの。これは今日に限ってはありがたい。いつもは…、ちょっと限界かなって感じの量になるけど。

嬉しくて口が綻ぶ。純粋に彼女からのおにぎりは嬉しいよ。

『ちょっとね〜、
　太らせようと思ったの！

　そして、教室に突っ込んだら
　りんたろーは居ないじゃないの！！
　友達に聞いたら、
　お弁当忘れたと言うではありませんか！？

　どうしてくれるんですか！
　せっかく朝早く起きて、お肉を焼いて
　たらこいれて、チーズ入れて特別性にしたのにー』

ペラペラとこの短時間で起きたことを流暢に話した。とにかく言動が可愛いことは分かった。
わざわざ俺の為に早起きして、丹精込めて作ってくれて、教室に駆け込んだという可愛いエピソードを。そして、「ありませんか」とか「れるんですか」とか語尾が一々可愛いのと、今まででの事をぴょんぴょんしながら語る様子がなんと言っても可愛い。

思わず口元を抑えた。ニヤけてる、絶対ニヤけている。
悪戯してる事自体可愛いのに、更に可愛い。もっと言えば朝から可愛いけども。

『おーい、聞いてる？』

思わず抱きしめた。思いっきり廊下だけど、大丈夫だよね。多分。
ここで北さんとか部活の先輩来たら、恥ずかしいが戻って来るかもしれないけど。

角「可愛い」

『そーお？
　それよりお腹空いたよ

　あっちで食べない？』

抱き締められている状態で、更に頭コテンをやってしまう。そんな彼女が怖いほど可愛い。

角「行く、食べよう、あっちね」

『オーケー』