甘いあまい、飴のあめ【角名倫太郎】 (ページ2)

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朝部が終わると、着替えを急いでして教室に入る。
教室はガヤガヤとしていて騒がしい。自分の机に向かうと、飴が文字を作って並んでいる。

“あ、い、し、て、る”

こんな事をするのは間違いなく彼女だ。
朝から妙に騒がしいと思ったら、いつものこんな事。みんな慣れているけど、騒がずにはいられないらしい。
スマホを取り出して、写真を一枚撮る。そして、彼女専用のファイルに入れた。

関「彼女に愛されとんなあ、彼氏さんよ」

角「いや、これはただの悪戯だから」

そう返すも、「またまた〜」とか、「惚気辞めろよなあ！」とか冗談の様に処理される。

でも、そんな悪戯にさえ愛が湧いてしまっているから、あながち間違ってなかったかも。と最近思い始めた。

大量に机の上に置いてある飴を専用のミニバッグに詰め込む。
ミニバッグは常時必要。どんな悪戯をされるか分からないから、身構えないとならない。

ミニバッグを机の横に掛ける。すると、それと同時に何か落ちた。
拾い上げると、“角名くんへ”と丸いくて可愛い字で書かれている。見るからに、手紙だろう。

広げてみると“お昼食べよーよ！大好き”と可愛らしいお誘い。
メッセージをくれればいいのにと何回も思ったけど、可愛いから別にいっかとも思う。

今日も顔を綻ばせる